生きる意味(甦れ) 2 | シンイ二次小説でんべのブログ

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2

無事に新王と新王妃を王宮へと
お連れし、何ら変わりがない日々が
過ぎていた。

正室である女人とは
幾日も過ぎた春一番が
吹き荒れる頃であっても
まだ顔を合わせてもいない
その名も知らぬほど無関心なのである。

正室はチェ家屋敷に住まわし
隊長は兵舎で寝起きしていたのだ。
そんな隊長の元へ痺れを切らした
叔母でもあり武閣氏の長でもあり
新たに国母として招き入れた
王妃の専任を任された程である。

「ヨン!正室の元へ参らぬのか?
まだ契りも交わしておらぬと
言うではないか!どう言うつもり
なのじゃ…応えよ」

「・・・」

「ヨン?」

「叔母上の顔を立てたまでに
過ぎぬ故…俺には関わりなきこと
・・・屋敷に脚を向ける気は
毛頭ない」

「・・・まったく亡き兄上様が
黄泉の国で嘆かれておるわ・・・
一つ嫁御のことでお前に知らせねば
ならぬことがあるのだ
おまえと同じところに傷がある
ようでな…生娘には変わりはないが
それをえらく気にしておる様子じゃ
おまえが屋敷に顔を見せぬのは
それを気にしてのことでは
ないのかと嘆き悲しんでおったぞ」

「・・・」

生まれた折から臍の脇に
皮膚がつり刀でさされたような傷が
あるのだ。
それと同じ傷を持つ女人・・・。
偶然がもたらすだけのことと
瞼の上に腕をおき寝たふりを
決め込む隊長であった。

「・・・」

「はよう屋敷へ参れ!正室ぞ
魏王の遠縁になるお方じゃ
お前が不義理を通せば戦にも
なりかねぬのじゃ分かっておるのか」

「・・・」

「すぅ~~」・・・と寝息が
漏れ出すと、叔母であるチェ尚宮は
「はぁ~」とため息を落とし
坤成殿へと踵を返すのである。

それから三日三晩眠り続けたのである
飲まず食わずはむろんのこと
用足しさえ忘れたように
ただひたすら眠り続けた。


「おい…生きているのかトクマン?」

「わからないよ…俺に聴くなよ
テマンなら狸寝入りか分かるんじゃ
ないか?」

トルベはなるほどと思ったのか
手をポンッと叩き
兵舎に与えられた隊長室前から
姿を消す。

「いつも隊長のそばを離れない
テマンが今日は居ないのか?
どこへ行った?」

そんなことを思いトルベの後ろ姿を
見つめていたのである。



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