あなたを探して 57 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「え?どうしたの?」

避難を止(や)め脚を止めた
ソウをウンスは小首を傾げながら
尋ねる。

「大護軍様がお戻りのようです」

「へっ?」っとソウが指差す方角から
ひらひらと一枚の上着が風にのり
舞いながらソウの手にひたりと
収まる。見事である
風を操る内功など持ち合わせては
おらずただ風の通り道を読んだ
だけなのだが…。

手に取る上着にちらりと目をやると
どうやら大護軍が身に纏う濃紺の
上着であるようだ。

「まさか?」

ソウがそう思いながら上着が舞って
きた方角に目を凝らすと
惜しげもなく引き締まった上半身を
晒し愛馬に跨がる姿が目視できる。

ヨンの意図を汲み取りソウは
ウンスをふわりと包みこむ。

「ようございました…
他の殿方の目に触れておらねば
よいのですが…」

「ウンス!大事ないか!」

「えぇ・・・もしかして
怒ってる?」

「・・・」

ウンスの身を案じ王宮から
駆け付けてみれば暗闇の中でも
一目でわかるほど白い肌が
輝いてみえたのである。
その姿を目にとめたとたん
ヨンの眉はつり上がり
辺りに殺気を放っている。

「ごめんなさい・・・言い訳は
しないわ…あまりにも暑くて…
そしたら火事ってなったから
そのまま飛び出してきたのよ」

「・・・テマン!火消しに手を貸して
やれ…それとエヨン叔母上を探して
くるれぬか」

「は、はい…任せてください」

ヨンはそうテマンに言葉をかけると
ひょいとウンスを肩で担ぎ上げ
どこかへ姿を消したのである。
その後火消しの手により
火元の屋敷一軒だけが焼け落ちただけで
済んだのであった。



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