あなたを探して 54 | シンイ二次小説でんべのブログ

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54

「暑い・・・」

無事に高麗へ戻れたのが初夏であり
一月(ひとつき)が過ぎた今は
暑さの盛りを迎えウンスは相当
ばて気味である。
むろん電気設備など
整っていない高麗である

鬱陶しいさこの上ない長袖を
半袖にしたい衝動にかられ
切れ味のよい小刀とにらめっこ
することもあるのだ。
今日も役目を終えテマンの護衛で
一足先に屋敷へ戻ったのが
半刻程前のことである。
軍議、軍議と近頃はヨンの帰宅は
午前様で、晴れてチェ・ヨンの正室と
なったウンスではあったが
ひとり寂しく寝台に潜る日が
続いていた。

「近々戦があるのかしら・・・
侍医が言っていたもの…典医寺から
何人か軍医を同行させると…行きたい
けど女じゃ足手まといになるのよね
あぁ~~・・・」

蝋燭が静かに揺れる卓上に頭を
掻きながら伏せってしまう。

「奥様…如何されました?」

「えっ?あ、ごめんなさい
なんでもないのよ…夕餉ありがとう
美味しく頂きました…ふふふ
寝ますか…貴方たちも休んで
ちょうだいね…旦那様はきっと
遅いはずだから夕餉は兵舎で
食べてると思うけど
なんか軽いものを用意してあげてね」

「畏まりました…奥様、では
奥様は閨の方へ私達は片付けして
おりますので」

「なんだか悪いわね…手伝おうか?」

「滅相もきございません
旦那様に叱られてしまいます」

叱られなんてしないはず
そう思いながらもウンスは
「お休みなさい」
そう言って手をひらひらふりながら
閨へと姿を消すのである。

「おっとう?あたしあんな奥様に
なれるかな…」

「ばかを言うな奥様は天界のお方
なんだぞ、わしらにまで土産を
頂いた…わしらのはなぜかふんどしと
やらであったがな…がっははは」

「あたしはかわいいぱんつ言う
ものだったな…花柄お気に入り
なんだ…勝負ぱんつにしなさいって
奥様がおっしゃていらしたかな
何が勝負なんだか分からないけど」

「わしも知らんが…大事にしろ
さぁ…手を動かせよ」

「はぁ~い」

その頃ウンスは閨で小刀を
握り締めていた・・・。
それが一大事となろうとは夢にも
思わず・・・・。


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