もうひとつの木春菊 4 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「とっまん!!」

「はっ!」

次に目に留めたのはトクマンである
その隣にはもちろん愛妻である
アルも付き添う。
トクマンはヨンとチュンソクが
隠居し、直に王宮を辞し
鉄原へと皆の後を追いかけていたが
その時点でトクマンの上官は
ソマンでありその関係はいまも
健在のようである。

「まったく・・・トクマン?
ソマンは今は上官ではないのだ
そのような応えようはないであろうに
いまも迂達赤でおるつもりか」

「あ、そうでした・・でも
俺の上官はやはり上護軍であり
チュンソク護軍なんです。
ですからあのときもすぐに
追いかけて来たんです。空気が
違っていたんです・・・」

「・・・そうであった・・・
役目を途中放棄し鉄原へ押し掛けて
きたのであったな・・・だが
あの折り俺が受け入れたのだ
今さら責めたりはせぬ」

「ありがとうございます
上護軍様、あの時放り出されて
いましたら途方に暮れておりました」

「チュンソクさんも今さらかたい事は
言いっこなしよ、そうよねアル?」

「みな!今日は我が家屋敷にて
膳を振る舞う王様や王妃もお呼びする
故粗相なきようよいな!」

「「はっ!」」

「テマン!チョンスとともに
家畜を盛大に頼むぞ」

「はい!ソマン待っていろ
この兄様がご馳走を用意してやるから
な、ソマンの好物肉だ!!」

「てま~っ!」

その声に嬉しいそうに
てくてくとテマンの足元に
歩みよりこくこくと頷く。

ソマンは知っている
高麗と言う国が滅び朝鮮王朝が
あの地をおさめていることを・・
なれど幼い姿に戻りうまく伝えきれない
いや・・・これはソマンが願った
ことかもしてないのである。
高麗末期を懸命に生き
王様を国を己の命より大事なウンスを
守り生を終えた偉大な父チェ・ヨンに
その真実を耳に入れたくはなかった
のかもしれない。
あの李成桂が高麗王いわいる
恭愍王から数えると二代後の
高麗王を粛清し自身がその座につき
朝鮮王朝と言う国ができたと言う
事実を・・・。

それは母ウンスの知りうる限りの
史実とは
少し変わっていたのだが・・・。


日が傾きかけ屋敷には
皆が詰め掛ける。

「ソマン殿…ご苦労であった」

「ちょ~、まっ~」

ソマンは若かりし頃の姿の王様と
王妃様をみるとぺこりと小さな
頭をさげる。

「うふふ…このような姿を再び
この目で拝見でき妾は嬉しゅう
ございます・・・」

「そうじゃのぅ~神童と呼ばれて
いたころよのぅ・・・して、ソマン殿
高麗の世の行く末は如何であるか?」

「・・・ちょ~・・・」

ソマンは切なそうに
ぐっと押し黙るしかなかったのである
それを目ざとく察したウンスが助け
舟を出す。

「王様…ソマンはうまく言葉を
使うことが叶いません
きっと大丈夫だと思いますよ
王様が作りあげた基盤は揺らぐ
事はないと思いますから」

「そうであればよいのだが・・・」

ウンスの知りうる限り
すでに朝鮮王朝の時代のはずと
ウンスは察しているのだろうと
思われる、されどウンスもまた
口に出したことは一度もないのである。
そんな時出遅れていた下界では
スリバンとして生を終えた
サルムとソウが顔を出す。

「坊っちゃんが、こちらに
お越しになる日が訪れるなど・・
嬉しいような月日が流れたのだと
思い知らされます」

「ほんとよね~ソウ~?
私たちおなごはきれいなまんまだけど
なんだかとてつもなく歳を重ねた
気がするわ」

「誰がおなごなのだな!お前は
おのこであろうが!」

ぎろりとヨンに睨まれ
肩をすくめるかと思いきや
サルムも負けてはいない。

「あちらではウンスに負けたけど
ここでは負けないわよ!絶対
ヨンを落としてみせるから!」

「あらサルムおあいにく様
ヨンは渡さないわよ、ふふふ」

ウンスとサルムのヨンをめぐる
戦いが始まるのかもしれない。
されど勝敗は火を見るより明らか
である。

「さあさあ皆様
宴の支度が整いましたよ」

サンミが客人らを屋敷おく
大広間へと招き入れるのである。
そこにいたのは・・・・。


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