愛しき薫りを求めて(過程) 27 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「うふふ…きっといい医員なれるから
侍医のお墨付き。頑張りなさい・・・
忘れていけない事は命に身分の上下は
関係ないと言うこと。これは大事よ」

「はい…侍医様!きっといえ…腕を
磨き侍医様に負けないような医員を
目指します。民の為に…」

「そうね、イルム頑張ってね
期待してるんだから」

そんな立ち話をしていると
「ヒヒーン」っとヨンの愛馬チュホンの
嘶く声がみなの耳に届く。
のけ者された感が歪めないチュホン
堂々と二人を目指しパッカパッカと
軽快に蹄を響かせ近寄る。

「こら!チュホン!王様の御前なんだぞ
場をわきまえろ!まったくこれだから
ほら行くぞ!あん?・・・つい先日
譲り受けた牝馬?気性が荒く
手なずけるのが難しいと聞いていたけど
あ~そう言う事、な~るほどね
チュホンにね~・・・おい!羨ましいよ
俺にも春がこないかな~」

トクマンがいち早く駆け寄り
チュホンの手綱を握り連れ出そうと
試みるが・・・ふとみると
チュホンの後を一頭の牝馬が
控え目にチュホンの後をてくてくと
ついてくる。
そんな寄り添う姿を見つめ王様が
トクマンを止める。

「待て!大護軍の愛馬であろう?
賢い馬であろうに・・・暴れる事は
あるまい、主の晴れの日を
その大きな眼で見届けたいのだろう
構わぬ」

「されど王様・・・」

「大護軍…みな身内であろう?
晴れの日を祝いたいのだ、万が一
危うくなればそなたが止めれば
大人しくなるであろう?違うか」

「そうですよ王様…チュホンはとっても
賢い馬なんですから大丈夫です
でも…いい匂いに釣られ脱走して
来たんだと思いますけど・・・うふふ」

上座に腰掛ける王様へ向かい
ウンスは言葉を述べ
ふとチュホンを見るとひくひくと
鼻の穴をひくつかせ大きく頭を振って
いる。

テマンが大人しくしていろよと
好物の人参を手に持ち駆け寄り
鬣を優しく撫でると
チュホンも牝馬もうまそうに
人参に食らいつく・・・

「ねぇ…ヨン?なんだかお似合いよね
チュホンのお嫁さんにどうかしら?
なんなら私の愛馬にして欲しいな~」

「ああ…あの牝馬は晴れて夫婦と
なったその日にウンスにと思い
譲り受けた牝馬故・・・
それは構わぬがまだ気性が荒い故
難儀をしておるのだ」

「うっそ~!私に結婚の記念って
事?嬉しい!ありがとう…でも
見てチュホンに寄り添い静かに
しているわよ…チュホンもまんざら
ではないみたいね…うふふ」

この牝馬がチュホンの嫁になるのは
もう少しあとの事であるのだが・・・


「ねぇ…腰掛けたいし
こんなご馳走見たことないけど
花嫁が食べるなんてあり得ないかしら」

「姉上様…こちらへ」

そんなウンスを見透かしたように
上座に設けられた席の隣に
卓と椅子が用意されその上には
ところ狭しとご馳走が並べ
られている。

「王妃様…でも・・・私達が
お隣に座るなんて・・・」

「よいのです今日の主役はお二人
ではありませぬか・・ふふ」

その後ろで叔母は苦笑いを浮かべて
いるしかなかった。

「ヨン?いいのかしら?」

ウンスの問いに
ヨンは王様へとちらりと目線を
向けると笑みを浮かべ大きく頷かれる

「ウンス?腹が減ったのであろう?
掛けさせて頂こう」

「うん!!」

ヨンはウンスの手を取り
設けられた席へと腰掛ける

入れ替わり立ち代わり
二人の元には酒瓶を片手に
皆が訪れる。
いくら無礼講とはいえ王様、王妃様の
お隣では羽目を外すのも憚られ
大人しくそろそろと後退りする者
ばかりの中・・・
トクマンだけは違った。

「ヒック…大護軍・・痛って!!」

トクマンの酔い潰れた姿に誰よりも
素早く反応したのが・・・チュホン
であった。その長い鼻先でぱこっと
トクマンの頭を小突いていたのである

「でかしたチュホン!こいつは
・・・すみませぬ大護軍・・・
飲み過ぎのようです故・・・」

「お、おれにもヒック・・・祝わせて
く、くださいよ~~ヒック
誰だよお、おれの頭を小突いた
奴は!!~~」

そんな惚けた事を口にしながら
トクマンはチュンソクらに
引きずられながら連行される姿に
どっと笑い声が木霊したのであった。



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