愛しき薫りを求めて(過程) 17 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「えっと、ナナミさんだったかしら
どうしたのかしら?」

「はい、医仙様私らの医仙様に
弟子入りしたくておもどりを待って
おりました」

「へっ?弟子入り?邸の?
それとも医員として?」

「医員としてです!おなごでも
医仙様のように人を助ける医員に
なれると思いおもどりを待って
いました、すみません」

「姉妹揃って医員になりたいの?」

「はい、ナナミ姉さんもイルム姉さんも
オル姉さんもそしてわたしソウも
意地は誰にも負けません
ですからよろしくお願いします」

四人姉妹は腰が折れ曲がるのでは
ないかと思うほど頭を垂れ続ける。

「待って、頭をあげてちょうだい
意気込みはすごい伝わっから
うふふ…でもね私の一存じゃ決められ
ないのよ、私…これでも王宮で
侍医の職を賜っているから・・・
けど、思うところはあるのよ
おなごはおなごでしか伝え難い
病ってあるじゃない?だからね
すっごい難しいこと学んで貰わないと
いけないんだけど大丈夫かな?」

「じぃ、侍医を!医仙様が侍医様!
で、でも私ら・・・
きっとやり遂げて見せます」

四姉妹は顔を見合せ大きく頷く。

「えっと、イルムさんだったかしら
みんなさすがに
よく似てらっしゃるから区別が
はっきりつかなくてごめんなさいね
二、三日時間をちょうだいね
もしきてもらうことになれば誰か
使いをやるから…でももちろん
下働きからになるけど
構わないわよね?」

「それはもちろん、掃除洗濯から
はじまるんですから」

「うん、そうね・・・じゃその時に」

ウンスは満面の笑顔をうかべ
姉妹と別れる。


一方宣仁殿では捕らえられた
キム・ベクチョンとイ・ジョンスの
詮議が執り行われていた。

「キム!侍医を狙いチェ・ヨン護軍を
陥れようと画策した罪!余は断じて
許さぬ。侍医はこの地の宝
侍医を愚弄する者
それは余を愚弄すると等しい。
申し開きは一切聴かぬ
キム・ベクチョンを斬首に処す!
加担したイ・ジョンスは身分剥奪の上
流刑と処す!刑部!!
即刻刑を執行せよ!よいな!」

「「はっ!」」

ヨンを彷彿させるかの如く
王様は眼光鋭く命を下す。 
刑部兵士に両脇を抱えられキムは
悔しそうに唇を噛みしめ退室する。

「良い機会じゃ!みなにも余の思う
ことを伝える、侍医は国の宝。
その侍医に刃を向ける者
その清らかなる心根に横やりを
入れる者、意味が分かるな?」

「「・・・」」

「なんじゃ意味が分からぬか
護軍と侍医の婚儀を許す。
それにともない二人の仲を裂こうと
画策する者。
余は許さぬと言うことじゃ」

重臣らは顔を見合せこそこそと
お言葉の真意を計ろうとしていたが
ようやくその意味を悟ったようで
あった。
眉をしかめる重臣もおれば
ヨンを慕う迂達赤は一瞬顔を綻ばせ
笑みを浮かべるが瞬時に我に反り
きりりと前を見据える。

『護軍…これでよいな?
婚儀の前そなたに授けねばならぬ
位がある。必ずや武功をあげ
戻って参れ』

王様はそう胸に秘め
戦地である遠い南の方角見つめる
のであった。


その夜遅くにチェ尚宮が邸を訪ね
ウンスに嬉しい知らせをもって
来たのである。

「ひとり寂しくはないか?」

「・・・寂しくないと言えば嘘に
なります・・・でも泣いてばかりでは
過ごせませんから…」

「そうじゃな、あやつは必ずや
無事にウンスも元へ戻る
そうであろう?ウンスがおらぬだけで
痛む身体を無理やり動かし
時を超え百年前までたどり着いた
その計り知れない想いは
ウンスにも伝わっておるであろう?」

「はい・・・私も同じ想いでしたから
あの人がいなければ
息もできませんから・・あの時は
嬉しかったんですから
でもこちらをすごい心配していた
気がしましたけど・・・それを口に
するような人ではないんですけど」

「そうであったか・・あやつめ・・
話は変わるが王様から婚儀のお許し
が出たのじゃあやつが戻り次第
身内である私が婚書を届ける故」

「お、叔母様ほんとうに?
ようやくあの人の奥さんに
なれるんですね・・・嬉しい・・」

「まことじゃ・・嬉しいのか?」

叔母が目元を緩めウンスを
じっと見つめるとこくこくと
頭を何度も上下すると居間の椅子から
立ち上がり、叔母に抱きつくのである

『まったく…幼子のようじゃな
これだからおまえは目が離せぬので
あろう・・・はよう戻ってまいれ』

叔母はそう思いウンスの背を
ポンポンっと擦り続けていたのである


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