木春菊  番外編(幕間) | シンイ二次小説でんべのブログ

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「おや…参加される方々が少ない
ようですね・・・では、私がお連れいた
しましょう。」

第二幕が始まり上座から姿を現せた
グンソク。観客の中から次々と
手を添え舞台にあげる。

「さあ…マドモアゼル」と手を
差し出されたのは、アルとヘジンとサム
である。

「・・・私らは旦那様とともに
来ていますのでご遠慮致します。」

「そんなことはお気になさらず
時には弾けましょう~そして憂いを忘れ
ご家庭に戻れば夫婦円満間違いなし
…でしたらこちらのマドモアゼル」

さしのべられた手はウンスに
向けられた。

「触れるでない。」「ちゃわるな!」

ヨンとソマンの声が重なる。
叔母の膝の上に腰掛けていたソマンが
いち早くウンスの膝の上に
ちょこんと座り睨み付ける。
ヨンもそんなウンスとソマンを
ひょいと抱え胡座の中に
閉じ込めるのである。

「・・はて、手強いですね・・・
少々みなと舞うだけですが・・」

「そなたが、我が奥に触れぬと
言えぬであろう?」

ヨンとソマンの眉がぴくぴく
ひきつる。

「・・舞を指導いたしますので
それなりに・・・」

「ならぬ。認めぬ・・。」

「ちょっと見てよ。大護軍様じゃ
ないの?」

「きゃっ~そうよ。間違いないわ」

ヨンと、座長グンソクのやり取りを
後ろで眺めていた若いおなごの
方々からそんな声があがる。

「西のグンソク様と、東の大護軍様を
一度に拝めるなんて、なんて
ついてるのかしら・・・そう思わない
レイ?」

「はい。姉上様レイは天にも登る
心地でございます」

「ちょっと待って・・なら
膝の上の方は医仙様と言うこと?」

「そ、そうですわ。高麗一愛妻家と
耳にしておりますわ。まこと羨ましい
限り・・・。」

どこかの重臣の姉妹であろうか
そんな声が辺りに広がると
観客の中にいる妻とともに訪れて
いた殿方がどよめく。

「見てみろ。やはり天女様だ
あんな陶器のような白い肌をみたことが
ない。うちの嫁とはえらい違いだ」

「ちょっとあんた!医仙様に
失礼にあたるよ。それに私だって
白い方さ」

「なんだ。そら…医仙様と張り合う
つもりか?、止めとけって
大護軍様にどやされりゃ」

「そうだね。グンソク様諦めた方が
いいよ。」

さらがグンソクに言葉を投げ掛けると
グンソクの眼に闘志が宿る。
今のいままで、己の誘いを断る
女人は一人足りともいないのだ
例え殿方とともにあろうとも・・・
西域で学んだのか…グンソクは
ウンスに向け片目を瞑り投げキッスを
して見せる。

「あん!ウンスあれはどんなな意味を
持つ?」

「おじちゃん~~。めがいたいの~」

ヨンの腹のうちを読んだソマン
尽かさずちゃちゃを入れる。

「あ、挨拶よ・・・。あっはは・・」

「おじちゃん??このわたしが?
坊や・・・。わたしは坊やの父より
若いはず・・お兄さんと呼びなさい」

そんな中どこからかつかつかと
歩み寄る人影ふたつ・・・。

「ほんとうに医仙様で
いらっしいますか?是非母を診て
頂きたくお願い申し上げます。」

「ええ…医仙と呼ばれているのは
私だけど、どうしたの?」

「はい。親子三人こちらに向かう
道中、母が溝にはまり足が腫れて
しまって、どうにも苦しい様なんです」

「どこ?診させてもらうわ」

ウンスは立ち上がると
天幕の人気(ひとけ)のない隅に
寝そべる母親を見つける。

「お母さん?分かりますか?
ちょっと脚を触るわね。痛い所
言って下さいね。ん?肌を見せては
いけないのよね・・貴方
男の人寄せ付けないで。」

「相分かった。チュンソク、トクマン
テマン壁になれ」

「はっ!」

すぐさま叔母とサム、アル、ヘジンも
加わりぐるりと一回りの壁ができる

「トギ~。ポン~。確かお薬持って
来ていたわよね。ちょうだい!」

「は~い。」

舞台から駆け寄りトギの巾着袋から
貼り薬を取り出すとウンスの所へ
走る。
すでにトギはウンスのそばにいる。

「触診しますから、ちょっと我慢して
下さいね。ここは?」

「そ、そこ…い、痛いです」

ウンスは踝(くるぶし)のうえを
触れただけである。

「骨は折れていないようよ。
捻挫…お母さん足をくきっとひねり
ましたか?」

「はい…先程溝にはまり・・
この子らにどうしても見せてやりたく
無理をしてしまいまして・・・」

「そう…痛いのに頑張ったのね。
お母さんは大丈夫よ。泣かなかった
のね…えらいわよ。ソマン~饅頭を
持ってきてあげて。」

「あ~い。」

一人前に壁として立っていた
ソマンがたったったと小走りすると
饅頭をふたつ持って戻ってくる。

「かか…あい。」

「ありがとう…ソマン
はいどうぞ…お名前といくつなのか
言える?」

「姉のトイ十一と妹のノリひとつ下に
なります。」

「トイお姉ちゃん…饅頭食べて良いの
ノリお腹空いた~。」

「ふふふ…お食べない。」

ウンスが促すと
うまそうに饅頭を頬張る姉妹
横たわる母に饅頭を千切り持っていく
その姿に皆うんうんと笑みを浮かべ
頷く。「ほれ水だ。喉に詰まるだろう
ゆっくり食うんだぞ」と
見ず知らずの殿方が竹筒を手渡す
そんな微笑ましい
光景が垣間見れる。

「グンソクさん。私は良いから
この子らを舞台にあげてちょうだい」

「・・仕方ありませんね~。わたしの
誘いを断るおなごはいないのですが
今日は折れましょう。この姉妹に
免じて・・・ですが次にお越し
くださる時は・・・」

「はっ。次はない」

吐き捨てるようにヨンが呟くと
グンソクはやれやれと、大袈裟に
両手をあげると、ノリとトイを連れ
舞台にあがる。
あれやこれやと手解きを受ける間
ソウの姿がすっと消えた。

「あ…見つけた・・・お嬢さん
ちょっと話良いかしら」

「は、はい・・・」

サラナは少し身構える。女人とは言え
見知らぬ大人なのだからあたりまえ
ではあるが・・・

「お嬢さん。お名前は?」

「サ、サラナです。」

「そう…あのねサラナちゃん
お姉さん方と一緒に働いて見ない?」

「・・・・綱渡りできますか?」

「綱渡りが好きなんだ・・・ごめんね
綱渡りはないのよ・・・。でも
稽古を詰めばもっとなんでもできると
思うわよ。」

「・・綱渡りがないならことわります
ごめんなさい」

ぺこりと頭をさげサラナは去って
行った。舞台に戻るとサルムに
首を左右に振り
がっくり項垂れるソウ・・・。
そんなソウの肩に手をおき
サルムが優しく頷く。

いつのまにやら舞台には
大勢の観客が集まり
グンソクに習ったばかりの舞を
舞っている。そこにウンスの姿は
ないが、どう言い含めたのか
知らないが、サム、ヘジン、アルの姿も
そして一大事は・・叔母の姿があった
ことだった。

むすっと口を尖らす
愛しい旦那様を尻目に
笑みを浮かべる妻ら・・・

「イルム。サンミいってらっしゃい
貴女方を楽しませる為の
この場なんだから・・・ほら
遠慮しないで…」

「だども奥方様・・・」

「いいから、いいから・・」

しぶる二人の尻を叩き
ウンスは舞台に促したのであった。

「みんな~きれいよ---」

そんなソマンの野次が天幕の中に
木霊し、幕を閉じたのであった。



順不同

ray0110様  レイ
toitoitoi147様  トイ
ノリ様
sora2mama3様 そら

ご参加ありがとうございました

これで番外編終わりとなります。
希望通りじゃなくても怒らないでね
漏れてる方いらっしゃらないと
思いますが・・・大丈夫かな~・・・

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