木春菊  番外編(幕間) | シンイ二次小説でんべのブログ

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「ついたよ~。すげ~人だかりだ」

「ヨンの旦那大丈夫か?」

馬車二台が止まり一台の馬車から
トギ、ポン、イルム、サンミが降り
ヨンの手を借り、ウンスとソマンも
馬車から降りる。

「ほんと…すごい人ね・・。
そんなに人気があるの?全然
知らなかったわ。」

「ええ…それはもう・・ふふ
美丈夫間違いないですから…」

「あらそう・・・『目の保養ができる
かしら』」

ひそひそと話すポンとウンスだが
ソマンは、ヨンの衣をつんつんと
引っ張り…

「とと?めのほようって?」

「はん?ソマン。母の腹はそう言って
おるのか?!」

こくこくと頷くソマンを抱き上げ
こちらはこちらでタックを組んだ
ようである。

なんだかんだと言いながら
広い天幕が張られた施設へと
トギとポンに案内され向かうことに
なった。天幕の端を開き
脚を踏み入れると観客が
ところ狭しと腰をおろしていた。

「ソマンが迷子にならないように
貴方お願いね」

「ああ・・・」

「あら?貴方・・私がいつも行く
饅頭屋さんの娘さんよ。えっと…あ!
ともちさんだったかしら・・」

「あれま~奥方様近頃めっきり
足が遠のいてしまわれて…どこか
いい店でも見つけたのかと
母と噂していたんですよ」

「そんなことないのよ。忙しい
だけなの…それよりずいぶん
きれいに着飾って…ふふふ
そんなに凄いの?」

「はい。奥方様…一目拝めば
奥方様もここを持っていかれます」

ともちは薄暗い天幕のなかでも
一際目立つようにと、真っ赤な
チョゴリを、身に纏い
自身の心の臓を押さえうっとり
しているのである。

そんなともちと
ウンスのひそひそ話は耳には届かない
ヨンであったが、ウンスの腹のうちは
ソマンが教えるのである。
天幕の中には、二本の綱が対角線上に
ピンっと張ってある。
演目の中に綱渡りでもあるのだろうか

「ウンス~。ソマン~。こっちよ~」

薄暗い天幕の中、おのことも
おなごともとれぬだみ声が響く

「さるむ~~。」

観客の中にサルム、サム、ソウの姿を
見つけたソマン
愛らしい声が返る。
人混みの中掻き分けそのそばに
陣取るウンスとソマン・・・。
ヨンはサルムの姿を目に捉えると
むすっとはするがあとに続いていた。

「・・・お前ら・・・」

野暮用でしてと先に姿を消した
チュンソク。トクマン。テマンの姿も
見える。結局皆が嫁を一人で
行かせることができず
役目を放り投げしぶしぶ供をしてきたの
であった。

「・・・大護軍…これには・・」

「・・よい・・・」

上官が高麗いち愛妻家であるのは
周知の事実。上官が上官なのだから
部下が似てくるのもわからんでも
ないとばかりに、ヨンは口を
つぐみウンスの隣に、どかりと
腰を降ろし、ソマンを己の
胡座の中に収めた。

各々の嫁が着飾り
満面の笑みを浮かべる中
その横でぶすっと顰めっ面の殿方が
垣間見れる愉快な光景であった。

「ソウもサルム姐さんも気合い十分ね」

「そりゃ…ねえ姐さん・・うふふ」

「そうよぉ~。見てちょうだい~
きれいでしょう。私たち・・」

薄暗い天幕の中なんとも言えぬ
装いのサルム。白のパジチョゴリを
粋に着こなし長い髪を靡かせ
おなごにしては、大柄過ぎるのが
たまに傷…回りの観客も幾分引き気味に
なのが面白い。

「珍しいわね…ソウのチョゴリ姿
初めて見るかも…ふふふ」

「もう~奥方様・・・これでも
おなごに変わりはないんですもの
・・大護軍様に負けない美丈夫を
拝ませて頂き、明日からの
励みにしようかと…うふふ」

「そうのちまちまきれいよ~」

「もう~若様まで・・・」

サルムとは対照的に
ソウのチマチョゴリ紫で統一され
年頃の女人に相応しく
落ち着いて見える

「遠路はるばるお越し頂き
誠にありがとう存じ上げます
これより開演致します
先ずは頭上をご覧下さいませ
とう一座の綱渡りの名手、サラナで
ごいます。皆様拍手でお迎えください
ませ。」

法被を纏い進行係であろうか
案内が流れると観客が一斉に頭上に 
目を向ける。
綱の端からまだ幼さが残るサラナが
両手を伸ばし器用にバランスを
取り一本の綱の上を歩いている。

「見て、ソマンすごいわね~
ソマンより少しお姉さんのようだけど
あんな細い綱の上を渡っているわよ」

愛らしいサラナが
少しでもふらつくものなら
おのこの観客は「おお~~。」と
だみ声を響かせ綱の下まで
駆け寄ると受け止める態勢をとる
強者もいるほどの盛況ぶりであった。

ひらりひらりと対角線上に張られた
綱の上を動き回るサラナ
その姿はまるで地面を歩くように
軽やかである。
そしてひらりと舞台に舞い降り
両手を広げ大歓声を受けると
満面の笑みを浮かべ下座へと消える

「サルム姐さん。あの子すごい能力の
持ち主かも・・帰りに話をしませんか
スリバンに引き抜きたいけど・・」

「そうね。あの子はすごいわ~
感心しちゃう。ソウ…貴女に任せるわ
但し無理強いは駄目よ。分かってる
でしょうけど・・・」

スリバンは表の飯の種は薬売り
しかし裏の顔は人に知れてはならない
情報屋である。時として人を殺める
ことも・・・。年端もいかぬ幼子を
巻き込む訳にはいかないとばかりに
サルムは念をおすのであった。

「さて・・観客の皆様お待たせ
致しました。とう一座座長である
グンソクの登場となります
拍手でお迎えくださいませ~」

「きゃっ---グンソク様~~」

黄色い歓声が辺りを包む中
ちょっと、と~んの低いため息が
(ほぅ~~)と漏れる。
ヨンとソマンはとうに気が付いて
いる。そのため息の持ち主を・・・

「すごい!この時代もいるの?
追っかけ見たいな人が・・
あら、かわいらしい…ふふふ」

ぽろりと溢れた言葉に
ヨンの眉もソマンの眉もぴくりと動く

舞台の上では、座長であるグンソクが
剣舞を披露している。
蝶の如く華麗に舞い、時には
さくらの花弁が儚く散るように
はらはさと舞う。
その度ごと観客に流し目を
ちらりと流せば「きゃっ~~」と
黄色い歓声が湧きおこり
「ばたんっばたんっ」と
若い女人が倒れてしまうほどである。

ウンスの隣に座った女人に倒れた。
すぐに診脈をすると
「気絶・・ね。大丈夫よすぐに目を
覚ますから」と手持ちの竹筒で
水を飲ませると、すぐに意識を
取り戻し起き上がる。

「大丈夫?」

「はい・・・。ありがとうございます
もう大丈夫です」

「ちょっと聞いても良いかしら
貴女方は追っかけなの?」

「・・・追っかけって
分かりませんが、グンソク様を西域から
この地に入り興行を行う度に
こうやって見に来ています。」

「そうなのね…貴女お名前は?
別に怪しい者じゃないから安心して」

「・・はい。チョンと言います
あ!お姉様…グンソク様が
いつものように降りてきましたよ」

「え?」とウンスが舞台に
目を向けると
確かにこちらに向かって来る。
それも動じる事なくウンスを
見据えたまま・・・




えっと、○ャ○・グンソクさんの
お名前をお借りしています。
あくまでも私がかわいいと
思うのであり、皆様の基準と
違うかもしれませんが
お許し下さいませ。


順不同

ともち様
お京姉様(キョン)
サラナ様(後程ソウと話をしますので
最後にもう一度ご参加頂きます)

他の方は順じ、話の流れで
ご登場頂きます。お待ち下さいませ

ご参加ありがとうございました。

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