木春菊  [偕老同穴] 102 | シンイ二次小説でんべのブログ

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王様の御前、後ろ手に縛られ
項垂れる 倭寇の残党ら・・

「こう度々奇襲をかけられては
うかうか眠ってもおれぬ。
どうであろう?取引をせぬか」

「「「・・・」」」

「無礼者!!王様のお言葉である
答えよ!」

上護軍が眉間に皺を寄せ
怒鳴り散らすと、王様は片手を
おあげになり、それを制す。

「上護軍。お掛けなさい
声をあらげても解決の糸口は
見いだせぬ・・どうだそなたらは
このままでは斬首を言い渡す
事になろう。命は欲しいであろう?
でじゃ、そなたらは海賊は
なにゆえ度々暴動を起こすのじゃ」

「・・・取引をすれば国に返して
くれるのか!」

「いや、それは叶わぬ。この国の法に
則り裁かれる。がしかし斬首だけは
免れるよう命を下す。約束しよう」

「「「・・・」」」

「国に戻さねば喋らぬつもりか?
一晩猶予を与えよう。牢でよく考える
ことじゃな」

王様はヨンに目配せをし頷かれる

「はっ!迂達赤!この者らを労に
放り込め。」

「はっ!!」

どたどたと迂達赤に両脇を抱えられ
戸口外に控える刑部の兵士に
引き渡される。

「所詮海のならず者。その折々で
首謀者も違えば、仲間も違う寄せ集め
如何にすれば良いものか・・」

「上護軍。そなたの言うとおりじゃ
例え取引したとて何も変わらぬ。
されど指を咥えやり過ごす訳にも
いくまい。」

「はっ!仰せの通りにございますれば
何か策を練らねばなりますまい
どなたか妙案はござらぬか?
国境の紅巾と呼ばれる民の寄せ集めの
動きも気になるところ…
はぁ~頭がいたいわ」

「上護軍。例え国境に城壁をめぐらすと
しても、いまからでは間に合う筈も
なく…迎え撃つしかないかと。
その為には、海の上で戦える海軍を
徴募し鍛練するしかないのでは
ないかと某の考える所であります」

「 なるほど海軍の~。王様
大護軍の案、某は妙案と存じますが」

「で、誰が指揮を取る?
大護軍が自ら赴く訳にはいくまい
そうなれば、都が無用心でならぬ」

「はっ!一人打ってつけの者が
おります。明日暇を賜って
おりますれば、その者に会いに
行こうかと思うております」

明日その者と会うと言う
ヨンの返答次第と言うことで
この場はお開きとなったのである

兵舎に戻る道すがらヨンは
上護軍に呼び止められる。

「大護軍。暫し良いか?」

「はっ!」

「倭寇の刺客を都に入れてしまい
申し訳なかった。医仙殿も嫡男も
無事と聞き安堵いたした。」

上護軍は回廊の隅で深々と頭を下げる

「お止めくだされ。上護軍・・・
奥も倅も無事でおりますれば
お気になされぬよう・・」

「なれど・・・」

「上護軍。やらねばならぬ事が
山ほどありますれば、そちらに気を
回さねばならぬと・・・」

「そうじゃな。わかった・・・」

ヨンは一礼し、上護軍の背を見送ると
「はっ」っと短く吐き、己も
気を引き締めるのである。


瞬く間に辺りが暗闇に包まれようと
する刻限である。

「今日は遅いわね~ソマン」

「とと…おちょい(遅い)」

ぶつぶつとソマンと
話していると、ソマンに読まれまいと
気配を消し、ヨンがひょいと顔を出す

「すまぬ。チュンソクがおらぬゆえ
手間取っておった。」

「あ!びっくりした~。また気配を
消して来たんでしょう」

「なれどソマンに読まれては
面白味に欠けるゆえ・・・」

「なに?ソマンと張り合っているの
まったく・・・ふふふ」

その背でテマンがまた始まったと
苦笑いを浮かべる。

「お腹空いた~~。はやく帰り
ましょう。ねぇ~ソマン?」

ウンスの真似をし
腹を押さえ「ぐぅぅ~」と呟く

「ふっ…。瓜二つ・・・
腹が減りすぎて機嫌が悪うなる前に
戻らねばならぬな。」

「やったね。さぁ~帰りましょう」


出仕する時と同じように
チュホンに跨がるヨンとウンス
ソマンはと言うと
テマンに肩車をされ、きらきら
輝く星を指差してはテマンに
何かを問うている様子。

「ゴッホン!ソ、ソマン。兄様は
学がないから、よく分からないや
でもな。星はずっと輝いて
いるんだ。だからなくなる事は
ないんだぞ」

「ぴかびか~きれ~。」

「ふふふ…テマンが兄様って言って
照れてるわ。きっと強い絆が
生まれたのね。」

「ああ。そのようだ」

屋敷に着くとエギョン、チョンスの
出迎えを受け、テマンの肩から
ソマンをおろす。

「テマン。明日は暇を賜っておる故
お前も身体をやすめよ。」

「でも…あいつはお役目だから
一人長屋にいても・・・」

「ならばついて来い。用を済ます間
ソマンのもりを頼めるか?」

「はい!!。じゃソマン。兄様は
帰るぞ。」

「らっしゃい」

ヨンの肩に抱かれひらひらと手を振り
テマンを見送る。

「日が登りましたなら、心地よい季節
ではございますが朝夕はまだまだ
冷えております。夕餉は
鍋に致しましたので、先に湯殿の方へ
いらして下さいませ。」

「うん。ありがとう…そうさせて
貰うわ。さあ、ソマン三人で
ちゃぷちゃぷしようね」

「あい!ちゃぷちゃぷする。」

そのままヨンがソマンをだき
夜目が利かないウンスと手を繋ぎ
湯殿へと向かい、忙しなく夕餉を
済ませ、まだ遊び足りない
ソマンを寝かせるべく
二人は閨へと姿を消したのである。



皆様こんにちは

いつもお寄り下さり誠に
ありがとうございます。

と言うことで・・・
別館が20時に開きます。
宜しければお寄り下さいませ。

今日の愚痴・・・
昼に帰ってきた
なんでよ!ガーンムキーむかっむかっ二連休半?
いや~~~~びっくりドクロ

でんべ

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