木春菊  [偕老同穴] 証 93 | シンイ二次小説でんべのブログ

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一夜明け…

ウンスの私室の窓から陽が差し込む…
屋敷の大きな寝台とは違い
狭い寝台重なるように眠りについた二人




「んんっっ---、よく寝れたわ
あれ?ヨン?」

いつも抱きしめていてくれる
温もりがない…

「あ!典医寺に泊まったんだ…」

「目が開いたか?」

眠い目を擦り焦点を合わすと
寝台の脇に、椅子が二つ並んで
置いてある

「え?貴方寝台で眠らなかったの?」

「・・いつものように抱きしめて
いたのだが、赤子がぼんぼんと蹴り
あげる故、窮屈なのかと…遠慮して
椅子に寝ていたのだ」

「そうなの?もう悪い赤子ちゃんね
お父様を邪魔にして・・・
ヨン…来て・・・いつもの、ふふふ」

ウンスは寝台の端により、空いた布団を
ぽんぽんと叩く

「・・ゴホンッ…ウンスは甘え上手故
困っちまう」

とは言いつつ、ヨンも照れくさそうに
布団に潜り込みその額、両瞼、頬
最後に唇を食む

「・・んんっ・・ヨン…あ!ぐにゅって
どうしたのかしら…」

名残惜しそうに、ヨンは唇を離すと

「赤子が悋気を起こしたか…クックッ
愉快、愉快・・もしや本当に
おのこかも知れぬな」

「父と張り合うつもりか…いつでも
受けて立つ故、無事生まれてこい」

ヨンは、ウンスの腹に手をあて
そう呟くと再び唇を重ねる


「ちっ…テマンか?」

いち早くテマンの気配を察知し
堪能していた唇を離す

「朝早くすみません・・・
昨日の風雨で、チョンスが怪我を
してしまい、どうしたらいいか分からず
一応連れて来ましたが」

「え!!テマン、典医寺に連れて行って
ヨン?お願い王様の許しを貰って来て」

「・・テマン!チョンスの容態は?」

「生きています…だけど脚が折れて
いるかも知れません…腫れ上がり
歩けません…あ、替えの衣を持って
きました、ここにおきます」

「骨折…?兎に角、早く典医寺へ
すぐに行くわ」


二人は早急に着替える。
ヨンはウンス抱え庭から典医寺へと回る
たいふうで、ぬかるんだ道を歩き
転びでもしたら如何すると
もっともな理屈を言われ従うしか
なかった


「ウンス、チョンスを頼む…だが・・」

「分かってる、無理をするなでしょう
任せて…早く王様の許しを持って来てね
待ってるから」

「すぐ戻る」ヨンはそう言い残し
王様の私室へと踵をかえす


典医寺の診療室は、所々雨漏りが
している様子。あちらこちらに
桶がおいてある

診療用寝台に、チョンスは顔を歪め
腰掛けている。その右足は倍とまでは
言わないが、それに近いくらい
腫れ上がっていた

「チョンス!どうしたの?」

「すみません…奥方様…ご迷惑お掛け
してしまい・・・」

「そんな事はどうでも良いの
どうして骨折なんかしたの?
いい?チョンス問診をしっかりしないと
的確な判断が下せないのよ
医者に、間違いは許されないんだから
早く…」

チョンスは、ウンスの迫力におされ
重い口を開いた。
風雨が強まり閂を確めようと
使用人部屋から、門へと向かい
閂に更なる補強を加えようと
丸太を納屋から担いで出たところを
突風に脚を取られ、丸太を投げ出し
それに脚を思いっきり打ち骨折した様子

恥ずかしいやら、情けないやらで
チョンスは、顔をあげることが
出来ないでいる

己の不注意、あるいは集中力散漫が
招いた結果であったからだ

「恥ずかしいことじゃないわ
屋敷を…主のいない屋敷を守ろうと
してくれたんだから、胸を張って
ちょうだい!立派だと思うから
誰にも真似出来ないわ…そうでしょう
テマン?」

「すみません、俺・・・慣れっこで
爆睡してました」

「あら…そうなのね…テマンらしいわ
ふふふ…さてチョンス脚を診せてね
イム侍医…手を貸して下さい」




それから間もなく厳重なる警備の元
台風で怪我をした民の治療にあたる
ようにと王命がくだされ
典医寺の一部が解放された。
辺りが暗闇に覆われるころまで
イム侍医、ウンス始め他の医員、トギ
ポンを始めとする薬医員総出で
患者の治療にあたったのであった

王宮の修繕は、サンギョン親子が
すぐに呼び出され、速やかに
修繕されたのである



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