木春菊  [偕老同穴] 証 61 | シンイ二次小説でんべのブログ

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横抱きしたまま、王宮内を闊歩する
すれ違う重臣らは、目を丸くし
驚きを露にする
だが、ぎろりとヨンに
ひと睨みされれば…苦々しく思うて
おっても、誰も口にする事はない

数人の女官は、忌々しくその光景を
陰から眺めていた…

「・・・なぜ?」

悔しそうに、顔を歪め唇を
強く噛み締める



私室の寝台の端に優しく下ろされると

「・・恥ずかしいじゃない!」

そう呟くとウンスは、ぷいっと
顔を反らす

「・・・ウンス・・俺を見よ」

「・・・」

「ウンス…先ほど伝えた事に、嘘偽りは
微塵もない…俺がそのような男に
見えるのか、情けない・・・」

「・・分かってるつもり・・でも
隠しごとしてるんでしょう?
どうして…正直に話してくれないの…」

ウンスの瞳は潤んでいた
それを隠す為に、そう呟いても
顔は、明後日の方向を向いている…

共に腰掛け、ウンスの背後に
回るとふわりと抱きしめ
ヨンは言葉を繋ぐ

「・・ウンス…俺を信じ
安定期に入るまで、待ってはくれぬか
・・改めて、ここに誓こうても
構わぬ・・俺は貴女だけだ」

「・・じゃなんであの女の人、私に
あんなこと言うの…王妃様と私は
妊娠初期だから・・その・・営みが
出来ないから・・「私くしもいまから
出向きますの、天下に名を轟かせる
大護軍のお相手楽しみですわ~」
って、瞳なんてうっとりしてたわよ」

「・・王宮とはそのような輩が住まう
ところ、おとこだけではない…女人とて
隙あらば、名誉…地位も望むのであろう
俺はまったく興味はないが
されど、安定期とやらに入らぬ貴女に
そのような事を吹き込むとは
赤子を流させ、俺が愛想尽かし
その後がまを狙った、浅はかな知恵
されど許せぬ!貴女を苦しめるなど
女人とて、俺は許さぬ」

「・・・ヨン・・」

背後から回るヨンの手をふわりと包み
ウンスは、切なげにぽつりと呟く

「・・ん?」

「貴方を疑うなんて…どうにかしてた
・・ごめんなさい…あの人の言葉を
真に受けてしまってたの」

ウンスは、天界では良く耳にする話を
ぽつりぽつりとヨンに伝える

「・・天界の男とはそう言う生き物
なのか?・・高麗でも変わらぬやも
知れぬ…第二婦人だの妾だの欲しがる
もの…己の欲ばかりではないとは
思うが・・・」

「そうかも知れないわね…
自身の見栄、俺はそれだけ 甲斐性が
あるのよって、人に見せつけたいのかも
知れないわ・・」

ウンスは、ヨンに向き直り
素直に愛しい人の言葉を受け入れ
申し訳なさそうに、俯き呟いていた

ふっと目元を緩め、ヨンは優しい
眼差しを向けると、そっと唇を重ねる

「・・仲直り…許してくれる?」

「あたりまえであろう…俺はウンスが
おらなば生きていけぬ、ましてや
一人寝などあり得ぬ」

「・・ありがと・・私も本当は
一人で眠れるかなと思っていたの・・」

「気鬱が激しい事は、百も承知しておる
一人で悶々と悩まず何でもよい故
俺にぶつければよい…よいな」

「・・前にも言われたわね
本当にごめん…何かあるのよね?
安定期に入れば、教えてくれぬのよね
・・待ってるから…誰に何を吹き込まれ
ても、信じない・・ヨンのここを
信じる」

満面の笑顔を張り付け
ウンスはヨンの胸をぽんと叩く

そうだ、その笑顔を忘れないでくれ
どんな折りでも、必ず護る故…
ヨンは改めて、己の胸に誓うのである



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