木春菊  [偕老同穴] 証 39 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「徳興君様、着きましてございます」

元の兵士が目の前で睨みを効かせている
国境地帯に、一行は到着する

徳興君は牢車からおり、十名程の兵士に
紛れ、捨て台詞を吐く

「チェ・ヨン!俺は必ず舞い戻り
お前や甥に、復讐する!
覚えておくことだな、その時には
お前の命も、この国自体も無くなる
そう覚悟することだ」

ヨンを始め、チュンソク、トクマン
他の迂達赤と、黙って見送るかに
見えていたが…

「徳興君様…今一度あの高台より
この地を、目に焼き付けては如何か?」

「そうしよう…チェ・ヨン!いずれ
元が…いや某が王として
新たな国を作る、都の潤いは捨てがたい
のでな、ふっ」

徳興君は不気味な笑い声をあげる

ヨンとチュンソクは、左右に道を開け
迎えの兵士共々、僅かな道のりを高台
へと向かう

「ほう~見事な眺めじゃ都は此方の
方角だな…」

独り言の様に呟くと、都の方角を
感慨深気に眺めている

「徳興君様戻りますよ」と、兵士が
促す

「そなた、高麗の地へと勝手に踏み入り
無事でいられると思うのか」

「何を!チェ・ヨンその方が道を開けた
ではないか?」

「道など開けてはおらぬ!偶然左右に
分かれたまで」

「この地を眺めよと申したではないか」

「それは、徳興君様だけに申した事
元の兵士が、この地に脚を踏み入れて
良いとは、申しておらぬ!
戦を挑みに参ったならば受けて
立つのみ!俺が率いる高麗軍を甘く
見るでない!」

「何を申しておるか、分かっておるのか
某が戻らねば、真の戦になるのだぞ」

「・・・」

ヨンはチュンソクとトクマンの顔を
ちらりと見ると目で合図を送る
共に頷くと…トクマンの槍が頭上高く
くるりと回り兵士を睨む

ヨンは、鬼剣を鞘から抜くと
口の端を微かにあげる

「大護軍、雑魚は我々が…」

チュンソクがぽつりと呟くと
兵士相手に剣を抜く
ヨンは脇目もふらず、真っ直ぐ徳興君を
見据え突き進む

「ま、待て…チェ・ヨン考え直さぬか
お、俺が作る国で一番の重臣、いや
何でも与えてやろう、屋敷か?
地位か?」

「・・・俺が望むのはあの方のみ!」

「ならば、くれてやる!あのような
女人…初めから好まぬのだ
彼奴が狂うておっただけの事
故に、な、剣を収めよ」

徳興君は懇願の眼差しをヨンに向ける


「・・さらば徳興君殿」
 
ヨンは剣を振り下ろす

「ぐっっ…」

額から地吹雪が舞い、苦痛に
顔を歪め両膝を付く

「・・た・・助けて・・くれ・・
あの・・女人を呼ば・・ぬか」

「何故呼ばねばならぬ、今では俺の奥
そなたに会わせる謂れはない!」

「・・・・」

「苦しまぬようとどめを刺すのが
武士の情け、されどそなたには
刺さぬ…苦しみもがき逝くがよい」










短いm(_ _)m

京都下鴨神社に居ます、お許しを
続きは明日で…

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