木春菊5 | シンイ二次小説でんべのブログ

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『大護軍、軍議の刻限です』

扉の向こうから声が聞こえる

「分かったすぐ向かう、イムジャ
テマンを護衛につけます、部屋からは
出ないように」

「分かってます、大人しく待ってる」

チェ・ヨンはウンスの頬に触れ微笑む

「いってらっしゃい」

そう呟くと、ウンスは小さく手を振り見送る

朝に軍議に向かったチェ・ヨンは
昼を回っても戻って来なかった

「暇ね」と、独り言を呟きながら
執務室の中をうろうろしていた

「テマン君いる?」と

声を掛けてみたが返事は返って来ない

「・・あら、ほんとにいないわ」

ウンスは静かに扉を開け
顔をきょろきょろさせている

「ちょっとだけよ、ウンス
あの人と、約束したんだから」

己に言い聞かせ
ふらふらと部屋を出て行った

「ここは食堂よね、昨日は暗いから
気が付かなかったけど」

秋の陽の柔らかな日差しが
食堂の窓から射し込んでいた

「ここは医務室、医員は誰も
いないのかしら・・」

と、ぶつぶつ独り言を呟きながら
扉を閉めた、外の怒号が気になり出した

「トクマン君が指導者なんだ、えらく
なったのね」

物陰に隠れ、様子を伺っていたウンスの
瞳に見覚えのある
兵の姿が飛び込んできた

「あの人、どこかで見た気がする
誰だったかな、う~ん誰だった・・」

思い出せなく、ウンスは自分の頭を
叩きながらくるくるその場を回っていた

『そうだ!あの男、あの時の・・
大変よ、あいつは味方じゃない』

ウンスは声を出さず、静かに後ずさり
チェ・ヨンに知らせるべく兵舎へ戻る


一方テマンは腹を下し、厠から戻り
再び執務室の前に、護衛に立っていたが

『ん?静か過ぎる』
そう思いテマンは声を掛ける

「医仙様、医仙様、お休みですか・・開けますよ」

そっとテマンは扉を開けてみるが
もぬけの殻になっていた

「ああ・・もう~医仙様はどちらに
行かれたんだ」

テマンが慌てて兵舎を探しに行くと
練兵場から静かに後ずさるウンスを
見つけた

「医仙様・・部屋から出ないように
大護軍から言われてます、帰りますよ」

「テマン君、あの人はどこ」

ウンスはテマンの腕を掴み詰め寄る

「今は大事な軍議中だから
連れて行けません、俺が大護軍に叱られます
それに医仙様も叱られますよ」

「良いの、何度でも叱られるから
案内して頂戴、緊急事態なんだから」

ウンスの真剣な眼差しに圧され
テマンは腹をくくった

「大護軍、ちょっと出て来て下さい」

「今は軍議中だ後にしろ・・ん?
チュンソク、すまん少し抜ける」

チェ・ヨンはテマンの他に
ウンスの気配を感じ席を立つ

「イムジャ部屋から出ぬように
約束した筈、なにゆえここにいるのです」

「しぃ・・そんな大きな声出さないで
緊急事態なの、怒るのは後にして」

ウンスはヨンに屈むように頼み
その瞳で見た事を全てを話した

「まことか、人違いではないのだな」

頷くウンス

「テマン、トクマンに伝え兵を
一ヶ所に集めさせろ、イムジャ
ここから離れず少しだけ、待っていてくだされ」

そう言うとチェ・ヨンは
軍議室の中に入りチュンソクを連れ
すぐに戻ってきた

「大護軍、どいつでしょう」

「わからぬ、イムジャしか知らぬ、
トクマンに兵を集めるように伝えた」

チェ・ヨンとウンスは物陰に潜み
兵が集められるのを
待っていたのであった



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