深く深く水中に沈んで、
気がついたとき。
海中には空洞があって、
浜辺が、あった。
そこで目覚めた。
脚は魚のようなひれから、
もとどおりになっていた。
起き上がって周りを見渡す。
脚が水に浸っていて、
ひんやりとした感覚から、
浜辺の砂へと移す。
真っ白で柔らかい砂に、
脚の裏から包まれていく。
振り返ると、
祠があった。
綺麗な臙脂色に導かれるように、
浜辺を歩む。
暖かな木のだんを登り、
平安時代のお宮のような建物に導かれる。
建物の周りには木の柵があって、
崖になっていた。
海の中の洞窟に空と雲?
謎を謎だと感じることもなく、
心にはなにひとつ、
疑うものはなかった。
澄んでいるーー
中央の障子に手をかけ、
左右に開く。
音もなく、するすると開く扉。
中には足場が一段あり、
のぼったところには広がる木の床。
サァーーーーー
水の音が響いていた。
30メートル程先に、
左右に10メートル広がる小さな滝があった。
右手には窓が広がり、
薄く伸びた雲が見える。
左手には奥に続く道があった。
正面の滝に近づいていく。
砂とは違う木の暖かみに、
脚を進める。