サザエさん:恥ずかしい話(2)
スイカを新種だと偽装しても喜んでもらえません。やるだけ無駄です。
朝日文庫版25巻〔8頁〕・昭和37年
『サザエさんが、台所で洗い物をしていると、マスオさんが、何かを抱え「ちょっとねだんははるが」と言いながら帰ってきました。サザエさんは、振り返って、マスオさんが抱えている物を見て、嬉しそうです』
『マスオさんは、網袋から出したスイカを持ち「新種だそうだ!」と得意そうです。そのスイカは、通常のスイカが、縦に模様がはいっているのに対して、その新種のスイカは、横に縞模様がはいっています。そのスイカを見て、サザエさんは「まァ千円!!バカバカしい」と呆れています』
『サザエさんが、スイカを水道水で洗っています、すると、横にはいっていた縞模様は、水に流れてしまい、模様のないスイカになりました。サザエさんは、「ただのスイカに色ぬったんじゃないの!」、「すぐ人のいうこと信じるんだからァ!!」とスイカを洗いながら、カンカンになってマスオさんを叱りつけています。マスオさんは額をかきかき、ばれたかと言うような顔です』
『マスオさんは、ノリスケさんとビヤガーデンにいます。2人は、大ジョッキの生ビールを飲みながら楽しそうに語り合っています。話題は、昨日のマスオさんの新種のスイカとサザエさんを騙そうとしたことのようです。ノリスケさんが「へ~~のみしろを浮かすために色はきみが塗ったの」と聞くと、マスオさんが「またすぐだまされるんだ!うちの奴」と自慢げに言っています』
マスオさんは、ノリスケさんとビヤガーデンで、生ビールを楽しそうに飲んでいますが、マスオさんが何だか哀れです。
生ビールの飲み代を浮かすために、通常のスイカに細工をして、
「このスイカは新種で甘いんだそうだ、新種だから高かったよ、千円だったよ」
とでも言って、サザエさんを騙そうとしたようです。
普通のスイカは、縦に縞模様があるのに、このスイカは、新種と見せるためか、横に縞模様があるのです。
模様のない全面黒いスイカは、見たことがありますが、横に縞模様のあるスイカは見たことはありません。
そんなスイカを渡されたら、新種だと信じるでしょう。
サザエさんでなくても、騙されますよ。
マスオさんは、サザエさんを騙すために、ご苦労な細工をしたのでしょう。
通常売っているスイカは、下の図のような縦縞の模様があります。
マスオさんは、こんなスイカを買ってきて、次のような細工をしたに違いありません。この細工は大変な苦労です。
八百屋で普通のスイカを買います。このスイカをサザエに高く買ってもらおうとしたのです。
帰って、サザエさんや家族に見せることは出来ないので、納戸の片隅に隠しておきます。
サザエさんが、買い物に出かけて、誰もいない時、スイカを持ち出し、水で洗って、布巾で拭きます。
先ず、普通の横に入った縞模様を消さねばなりません。
その為の絵具に油絵具は使えないでしょう。
それにマスオさんは油絵の趣味があると聞いたことありません。
持っていないでしょう。その上、油絵の具は高価で、買ったら、飲み代を浮かせません。
そこで、多分、カツオ君の水彩絵の具を使ったでしょう。
まず使う絵具は、ホワイトか薄緑色です。
縦縞模様を見えなくするには、厚く塗らねばなりません。
縦縞を隠すために3回くらい、厚く重ね塗りをしたと思います。
ホワイトか薄緑の絵具は、なくなってしまいました。
縫った後、乾かしました。
乾いた後、濃緑色の水彩具を取り出し、横縞を塗ります。
スイカの縞模様を描くのは、大変でした。
騙すためには、旧種のスイカの模様に似た模様の方が効果的でしょう。
大変な苦労をして、何とか横縞模様のスイカを作りあげました。
絵具が乾くまで、一日隠しておきました。
翌日、会社から帰って隠していた新種のスイカを網袋に入れサザエの所に持っていき、後は、上の通りです。
「新種だから千円だった」
と言って渡しました。
「すぐだまされるんだから」
と嫌味を言っていましたが、直ぐ食べようということになり、水道水で洗い始めました。
スイカに塗った水彩絵の具は、水に直ぐ溶け、横縞模様の新種ではない、もともとの種類の縦縞模様のスイカになりました。
サザエは、
「何だ普通のスイカじゃないの、これだったら500円くらいでしょう」
と言い、500円を呉れました。
ノリスケさんと飲む約束をしていたので、生ビールを飲んでいるが、この飲み代は、全額自腹で、偽装の新種のスイカで浮かすはずだった飲み代ではありません。
飲み代を浮かすために、スイカを使って、いろいろ苦労はしたけど、報われなかった。
もうこんなバカなことは、2度とやらないことにしよう。
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スイカを新種だと偽装しても喜んでもらえません。やるだけ無駄です。
朝日文庫版25巻〔8頁〕・昭和37年
『サザエさんが、台所で洗い物をしていると、マスオさんが、何かを抱え「ちょっとねだんははるが」と言いながら帰ってきました。サザエさんは、振り返って、マスオさんが抱えている物を見て、嬉しそうです』
『マスオさんは、網袋から出したスイカを持ち「新種だそうだ!」と得意そうです。そのスイカは、通常のスイカが、縦に模様がはいっているのに対して、その新種のスイカは、横に縞模様がはいっています。そのスイカを見て、サザエさんは「まァ千円!!バカバカしい」と呆れています』
『サザエさんが、スイカを水道水で洗っています、すると、横にはいっていた縞模様は、水に流れてしまい、模様のないスイカになりました。サザエさんは、「ただのスイカに色ぬったんじゃないの!」、「すぐ人のいうこと信じるんだからァ!!」とスイカを洗いながら、カンカンになってマスオさんを叱りつけています。マスオさんは額をかきかき、ばれたかと言うような顔です』
『マスオさんは、ノリスケさんとビヤガーデンにいます。2人は、大ジョッキの生ビールを飲みながら楽しそうに語り合っています。話題は、昨日のマスオさんの新種のスイカとサザエさんを騙そうとしたことのようです。ノリスケさんが「へ~~のみしろを浮かすために色はきみが塗ったの」と聞くと、マスオさんが「またすぐだまされるんだ!うちの奴」と自慢げに言っています』
マスオさんは、ノリスケさんとビヤガーデンで、生ビールを楽しそうに飲んでいますが、マスオさんが何だか哀れです。
生ビールの飲み代を浮かすために、通常のスイカに細工をして、
「このスイカは新種で甘いんだそうだ、新種だから高かったよ、千円だったよ」
とでも言って、サザエさんを騙そうとしたようです。
普通のスイカは、縦に縞模様があるのに、このスイカは、新種と見せるためか、横に縞模様があるのです。
模様のない全面黒いスイカは、見たことがありますが、横に縞模様のあるスイカは見たことはありません。
そんなスイカを渡されたら、新種だと信じるでしょう。
サザエさんでなくても、騙されますよ。
マスオさんは、サザエさんを騙すために、ご苦労な細工をしたのでしょう。
通常売っているスイカは、下の図のような縦縞の模様があります。
マスオさんは、こんなスイカを買ってきて、次のような細工をしたに違いありません。この細工は大変な苦労です。
八百屋で普通のスイカを買います。このスイカをサザエに高く買ってもらおうとしたのです。
帰って、サザエさんや家族に見せることは出来ないので、納戸の片隅に隠しておきます。
サザエさんが、買い物に出かけて、誰もいない時、スイカを持ち出し、水で洗って、布巾で拭きます。
先ず、普通の横に入った縞模様を消さねばなりません。
その為の絵具に油絵具は使えないでしょう。
それにマスオさんは油絵の趣味があると聞いたことありません。
持っていないでしょう。その上、油絵の具は高価で、買ったら、飲み代を浮かせません。
そこで、多分、カツオ君の水彩絵の具を使ったでしょう。
まず使う絵具は、ホワイトか薄緑色です。
縦縞模様を見えなくするには、厚く塗らねばなりません。
縦縞を隠すために3回くらい、厚く重ね塗りをしたと思います。
ホワイトか薄緑の絵具は、なくなってしまいました。
縫った後、乾かしました。
乾いた後、濃緑色の水彩具を取り出し、横縞を塗ります。
スイカの縞模様を描くのは、大変でした。
騙すためには、旧種のスイカの模様に似た模様の方が効果的でしょう。
大変な苦労をして、何とか横縞模様のスイカを作りあげました。
絵具が乾くまで、一日隠しておきました。
翌日、会社から帰って隠していた新種のスイカを網袋に入れサザエの所に持っていき、後は、上の通りです。
「新種だから千円だった」
と言って渡しました。
「すぐだまされるんだから」
と嫌味を言っていましたが、直ぐ食べようということになり、水道水で洗い始めました。
スイカに塗った水彩絵の具は、水に直ぐ溶け、横縞模様の新種ではない、もともとの種類の縦縞模様のスイカになりました。
サザエは、
「何だ普通のスイカじゃないの、これだったら500円くらいでしょう」
と言い、500円を呉れました。
ノリスケさんと飲む約束をしていたので、生ビールを飲んでいるが、この飲み代は、全額自腹で、偽装の新種のスイカで浮かすはずだった飲み代ではありません。
飲み代を浮かすために、スイカを使って、いろいろ苦労はしたけど、報われなかった。
もうこんなバカなことは、2度とやらないことにしよう。
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