サザエさん、それを言ったら駄目ですよ!絶対、失礼です。

朝日文庫版30巻〔53頁〕・昭和40年
『鼻の下のチョビ髭が濃いく、横に伸びた、かっての田中総理大臣のような、髪と、顔をしたオジサンが、磯野家を訪れています。お母さんが応対していて、卓袱台にはお皿に盛った食べ物が乗っています。オジサンは、ハシ袋から割りばしを取り出しながら、「ホウ!ソラマメにきの芽デンガクですか」と楽しそうに言いました。傍に座っているお母さんは、お盆を手にして、うつむいて、「ふできでして・・・・」と謙遜しています』
『オジサンは、食べてみたら、本当に美味しかったようで、「いやじっにうまい!」と、口に割りばしを入れたまま取り出すのが、勿体なさそうに褒めました。お母さんは、「あんなことばかり」とうつむいたまま、微笑んでいます』
『オジサンは、ソラマメを割りばしでつまんで口に入れて、「ほんと!まことにけっこう」と、まだ褒めています。そこ絵サザエさんが、お盆に、お猪口と徳利を乗せて、現れました。お母さんは、そのサザエさんを振り返り、「とんでもないねえ・・・」と言いました。するとサザエさんは、すました顔をして「ええとんでもない」と同じように言いました』
『卓袱台の傍に座り込んだサザエさんは、うつむいてニコニコしながら、オジさに向かって「ひごろおいしいものたべつけてらっしゃらないからですゎ」と、すまして言いました。お母さんは唖然とし、オジサンは割りばしを持ったまま、同じく唖然としています』

サザエさん、そこまで言ったら駄目だと思いますよ。
オジサンは恰幅良さそうで、貧乏人には決して見えません。
「ソラマメにきの芽デンガク」
くらいは、食べようと思えば食べられる人だと思います。
決して、おいしいものを食べていないからではりません。
たまたま、最近、
「ソラマメに木の芽デンガク」
を食べていなかっただけです。
「ソラマメに木の芽デンガク」は、そんなにおいしい食べ物ですか?
多分、このようなものと思いますが、

ソラマメを煮たものが乗っていたのでしょう。
オジサンは、乗っていたソラマメを箸でつまんで食べたのでしょう。
オジサンは、サザエさんとお母さんが作った、ソラマメと木の芽田楽をうまいうまいと繰り返し言って食べたのですから、本当においしかったんです。
「ありがとう」
と言えば良かったのに。

「ソラマメに木の芽デンガク」
何だか食べたくなりました。
ソラマメもいいでしょうが、ギンナンもおいしそうですね。
食感が良さそうです。

size="3">デンガク