フキエさん54年ぶりの帰国に親族一堂に会する

 

実の祖母・国恵は人生の最期の方で過ごしていた

介護施設でも悪名高いおばあちゃんでした。

 

施設に会いに行くたびに

「国恵さんが来るなら私はいかない!」とか

「国恵さんに絵を破られた〜!」などと

同じ施設を利用されている被害者の阿鼻叫喚を

どれだけ聞いたことでしょう。。

 

年齢を重ねて

優しくなる、とか

丸くなる、ということが

一切ない人でした。

 

フキエさんの姉なので

同じく高知県宿毛市生まれ。

7人兄弟で、医者を目指すも

当時は女性が医者になるという概念がなく

代わりに看護師に。

 

結婚して4人子供を産むが

単身赴任して高知県の中村市で一人働く。

謎。

 

60歳になる前には退職して

歯磨き面倒くさいから歯を全部抜いて総入歯にして

自由気ままな生活へ。

貯金も年金もたっぷりあるから

日本全国一人旅に行きまくってました。

 

まだ私が幼く性格も可愛かった頃、

おばあちゃんが岩手へ旅立つからと

京都駅の新幹線ホームまで見送りに行きました。

グリーン車に乗り込んだおばあちゃんを

健気に泣きながら見送ったことを覚えてます。

数日後に帰ってくるのに

寂しいとでも思ったのか私?

謎。

 

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私が大学を卒業して

実家でダラダラ過ごしていたある日、

階下で母の叫び声が。

「ちょっときて!!」と

ただならぬ様子。

 

そこへ向かうと

 

 

 

床に泣き崩れている母

 

 

ベッドで泣きながら呻いている祖母。

 

 

 

 

まず

 

「どっちを助けたらいいんや!?」

 

と困惑。

 

 

 

母が嗚咽しながら言うには、

口論になった挙句

国恵ちゃん必殺技

「ほな死んだるわ!」

で実際にロケットペンダントに忍ばせている水銀を口に含もうとしたから

しばいたったと。

 

 

….その光景に呆然と立ち尽くして何も出来ませんでした。

 

 

 

ただ。

 

 

 

これはマズいと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

「私、どっちの血もひいてる・・・!」