恵里と美紀は、同時にデートに誘われた。

恵里と明は、恋愛ものの映画を観て、食事に行き、東京タワーに行った。

明は私に優しい笑みを浮かべて

「恵里、大丈夫か?」

私はキョトンとして

「何が?」

明は私の頭を撫でて

「誤魔化すな。お前が、財務省解体の件で、落ち込んでるのに、気づかないと思ったか?

人が自殺することで、悩まない人間なんていない。

まして、お前は初めての経験だろ。

もう、泣いていいぞ。

重荷をおろせ。

前に進むためにな」

私は明のガッチリした身体に飛び込んで泣いた。

その頃、美紀と一樹もお互いに、苦しんでることを話しあい、一樹は黙って美紀を抱きしめた。

ここはプラネタリウムで、室内が暗く周りが星に集中してるため、恥ずかしさは自然となかった。

そして、映画・水族館とまわり、夜になり橋の上で川を見ながら、美紀はファーストキスをかわした。

恵里にとっても美紀にとっても、本当に楽しかった。

次の日、アメリカに二人が戻るというのは、残念だったが、これから戻って試験勉強をしなければならないらしい。

病院の研修も同時に始まるため、忙しくなるのだそうだ。

その状況で、日本に来る二人は、かなりの自信があるということなのか・それとも、財務省のことが、それだけ気になったということなのか、それは、話してくれなかったが、明に関しては明らかに私のことだけを考えて来てくれたのは確かだった。

そして、私も次の日、空港でファーストキスをした。

「恵里、お前はいつも人のことを考えすぎて、溜めすぎるところがある。

何かあったらいつでも、飛んでく。

いつでも連絡してこい」

私は笑みを浮かべて

「明、これから忙しいんでしょ?

今は勉強に集中しなさい!」

明は苦笑いして

「わかったよ。俺も今回の試験は勝負だしな。

お前も頑張れよ」

私はVサインして

「もちろん、頑張るよ」

一樹と美紀も

「美紀、暫くは試験勉強と病院研修で会えないが、頑張れ。

次、会うのは一人前の医者になってからだ。

お互い一人前になったら、結婚を前提に付き合ってくれ。

ま、ずっと先の話しだ。

ジックリ考えておいてくれ」

美紀は笑みを浮かべて

「わかった。考えとく。

新井教授の名に恥じない医者になりなさいよ!」

「当然だ。お前こそ、人見知りを改善して、看護婦として、患者の気持ちを理解できる看護婦になれよ。

お前の理想の医療を実現するためにな」

「うん。わかった」

二人はキスして別れた。

私達は、看護大学の通常の勉強に戻った。

そして、また、事件が起きた。

クラスの中で人気がでてきていた佐山幸が、刺殺された。

またしても、起こった事件に私と美紀・そして、今回は響子も動き出した。

響子と幸は仲が良く、響子の心を開こうと幸は誰よりも努力していた。

三人で動き、事件はまたしても起きている通り魔事件と繋がりかあると考えた。

全ては上島病院で切られた細田の犯行だと警察も、考えて動いていた。

私達は、三人で分かれて動き、私は細田と鉢合わせした。

「小娘、あの女の子を殺せば必ずお前が、動くと思ってたよ。

お前を始末してやる!」

ナイフを持って私に向かってきた。

私はナイフを蹴り飛ばして、細田を投げ飛ばした。

そして、警察を呼び、美紀も響子もやってきた。

細田はこうして、改めて殺人容疑で逮捕された。

そして、警察が去った後、美紀は崩れるように倒れた。

すぐに病院に美紀を救急車で運び、私と響子は付き添った。

そして、驚愕の事実を突きつけられた。

美紀は胃癌だということを知らされ、私と響子は呆然として膝をついた。

天国からの地獄とは、まさにこういうことを言うのだと思うしかなかった。