清美達、12人の前に国島忠男が現れた。

忠男は笑みを浮かべて

「久しぶりだな。君達。」

忠男のことを知らないものなど、誰もいなかった。

忠男は、インターポールに行っていたこともあるからだ。

忠男は、世界の大物にも一目も二目もおかれているほどの刑事だった。

メンバーは、忠男に連れられある老婆に会いに行った。

彼女の名前は、栗岡菊代といった。

栗岡陽二の妻で清美の祖母である。

清美は驚いて

「お祖母様。どうしたのですか?

急に私達を呼び出して?」

菊代は、厳しい表情をして

「これからあなた達には、自分の身を守るために必要なものを教えるわ。」

清美達は、この時エージェントとして必要なものを習い会得した。

そして、修練が終わった後

任務を言われ暗号が書かれた紙を渡された。

黒田官兵衛が残した宝があるのだが、それを見つけ出すよう指示を受けた。

魚をたどれと書かれていた。

メンバーは一瞬で意味を理解した。

それは、昔、吉川元春という武将がいた。

彼は、中国地方の覇者、毛利元就の次男にして、無敗の名将で仁義の武将である。

彼は、秀吉の要請により九州遠征に参加した。

黒田官兵衛と元春は仲が良く、化膿性炎症という病気にかかりながら、官兵衛が用意した鮭料理を病に悪いと知りながら食べた。

官兵衛は、仁義の元春にたいして深く感銘したのと、結果的に元春を死なせてしまった後悔の念に苛まれた。

だからこそ官兵衛は、関ヶ原の戦いの後、毛利家存続のために自分のすべてをかけて、長政と共に動いたのだ。

つまり、官兵衛の宝は元春が没した豊前小倉城にあるということだ。

官兵衛と魚の関わりは、これ以外考えられない。

問題はここからだ。

あの鬼がこれだけで解ける暗号なら、任務などというはずがない。

清美は、菊代のことを鬼と呼んでいた。

菊代は、清美に対して本当に厳しかった。

何故なら、菊代は日本の表裏において頂点に君臨する松山慶一郎の娘だからだ。

菊代は、慶一郎の命を受けて次々に裏世界に潜入し任務を達成してきた、まさに伝説のエージェントなのだ。

小倉城まで来たのはいいのだが、ここから先がまったくわからなかった。

清美は、元春が死んだ部屋にメンバーを連れて行った。

そこに、暗号の紙がわかりやすくおかれていた。

そして、暗号の内容はつふるねはかうえごゃあぬそくかこつどめぬてくねうら 2と書かれていた。

全員、首を振っていたが、幸子は目を輝かせて

「私、わくわくしてきた。こんな暗号初めて。みんな官兵衛の居城の福岡城に行ってみようよ。

何かのヒントがあるかもしれないよ。」

そこには、黒田家の官兵衛~長薄までの城主の名と肖像画が書かれているのを見つけた。

そして、城中に暗号と数字が書かれていて、清美は暗号を見事に解いた。

メンバーは、宝の場所に行った。

メンバーは、知るよしもなかった。

自分達のこれからの運命とこの宝を巡る災いが後に起こることを・・・。

彼らは、五歳になり人生が一変するようなことが起こった。

そして、11年の月日が流れた。