美紀と恵里は、不思議な人物に出会った。

彼は、ドイツの最先端医療に携わり、スイスで10年医療活動を行っていた人物だった。

彼の名を冴島隼人といった。

冴島は、田島の先輩にあたり、田島と組んで二人を指導することになったのだ。

何故こうなったのかというと、田島は高野一派を追うことに力を入れたいため、二人をつきっきりで指導していたのでは追う時間がないために二人の優秀な医者で教えることになったというわけである。

冴島は、頭痛の研究をしていた。

そこで、冴島は頭痛が何故起こるのかという課題を二人に出した。

医療の中では最も謎に包まれてるのが、頭痛である。

何故なら、難しい病気がたくさん絡んでるからでもあり、血液検査やMRIをして何も出なかった場合は、原因を突きとめるのは難解になるのだ。

患者は、ただでさえ何もわからないのだから、多くの病院をまわることになるのだ。

それだけ患者に、負担がかかる病気、それが頭痛である。

はっきりいった話し、MRIで脳の中に何かできていた方が、原因はすぐわかるということである。

もちろん原因は、わかっても厄介なことに変わりはないのだが。

美紀と恵里は、まずは頭痛の原因となる病気について思い浮かぶことを挙げてみた。

まずは、脳腫瘍・脳内出血・脳梗塞・脳卒中・くも膜下出血は真っ先に挙げられる。そして、脳炎・アルツハイマー病・髄膜炎・多発性硬化症・ギランバレー症候群・パーキンソン病である。

そして、睡眠障害等の神経が原因となって起こる心の病気である。

その他に、慢性疲労症候群等もある。

片頭痛・群発頭痛・緊張型頭痛とわけることもできる。

そして問題が、症状である。

頭痛は、同じ症状の病気や病気の合併症等関わってくるのだ。

だから見分けが、難しいのだ。

例えば、うつ病と慢性疲労症候群の症状、そして、肝臓や脾臓や膵臓の体からの頭痛、それが難解なのだ。

美紀と恵里は、そこらへんの疑問も含めたレポートを書いた。

冴島は、言った。

「まず頭痛には、君達が思ってるように、体が原因の頭痛と精神的なものが原因の頭痛がある。

体の場合は、もっとも危険なのが(1)くも膜下出血
 頭痛の原因となる病気の中でも、最も危険なものがこのくも膜下出血だ。脳の動脈にできた「こぶ(脳動脈瘤)」が破けて頭の中に出血し、これまでに経験したことがないような激しい頭痛が突然に出ます。命にかかわる病気ですので、迅速かつ適切な対応が必要だ。

(2)脳出血
 脳の中の細い血管が破けて、脳の中に出血する病気です。頭痛とともに、手足のしびれや運動麻痺などの症状が一緒に出ることが多い。

(3)髄膜炎
 髄膜炎は頭の中に細菌などが感染して増えた状態で、頭痛とともに発熱もみられ、髄膜炎がひどくなると、意識がもうろうとなったりする。

(4)脳腫瘍
 頭痛が連日続いて徐々に悪化する場合には、頭の中に脳腫瘍が出来ているかもしれない。吐き気や手足のしびれなどがある場合は注意が必要。

次に、片頭痛・群発頭痛・緊張型頭痛がある。

そして、うつ病・緊張型頭痛・肝臓疾患が、合併症となって表れることもある。

緊張型頭痛は、精神的なものが原因で神経や筋肉が緊張し、血行が悪くなり首・肩・腰のこりも含めて締めつけられるような頭痛が起こる。

肝臓が疲れると、そこから神経が緊張し頭痛になる。

うつ病は、2つの主要症状が基本となる。それは「抑うつ気分」と「興味・喜びの喪失」である。精神症状と共に身体的な症状を生じる。身体的な症状は、診断に先立って訴えられることもある。
精神症状
ボーっとすることが多くなり、口数が少なくなる。学校・会社・部活動では、休みがちになったり、不登校になる。脳が萎縮することで集中力がなくなり、運動神経や記憶力が低下し、勉強ができなくなったり、人の話を聞かなくなる。「抑うつ気分」とは、気分の落ち込みや、何をしても晴れない嫌な気分や、空虚感・悲しさなどである。「興味・喜びの喪失」とは、以前まで楽しめていたことにも楽しみを見いだせず、感情が麻痺した状態である。これら主要症状に加えて、「抑うつ気分」と類似した症状として、「自分には何の価値もないと感じる無価値感」、「自殺念慮・希死念慮」、「パニック障害」などがある。

身体的症状としては、頭が割れるような頭痛。不眠症などの睡眠障害。消化器系の疾患で急性胃炎、慢性胃炎、胃潰瘍。摂食障害に伴い、食欲不振と体重の減少あるいは過食による体重増加。全身の様々な部位の痛み(腰痛、頭痛など)訴えとしては「食欲がなく体重も減り、眠れなくて、いらいらしてじっとしていられない」もしくは「変に食欲が出て食べ過ぎになり、いつも眠たく寝てばかりいて、体を動かせない」というものである。
その他
自己中心的な行動が増えることで、対人関係が悪化し、さらに病気を悪化させるという悪循環が起きやすい。

つまり、症状としては身体のだるさ・頭痛や頭の重さ・めまい・手足のしびれ・睡眠障害・毎日のようにボーッとして思考力と記憶力の低下・眼精疲労があるというわけである。

もちろん慢性疲労症候群や睡眠無呼吸症候群・自律神経失調症にもかかってる可能性もあるため難しい。もちろん内臓疾患の可能性もあるために厄介な病気である。」

と冴島は語り、睡眠無呼等の説明に入った。