伊島が、新しい教授になったのを恵里が知ったのは、細田が失脚してすぐのことだった。
いきなり研修が中止になり、伊島教授に呼び出された。
「初めまして、私の名前は伊島正、新しい教授として赴任した。
私が、教授になったからには新井教授や市原教授のように私は、甘くないし特別扱いはしないから覚えておくことだ。
それと、これは忠告として言っておく。
今度、事件に首を突っ込んだら即刻退学にする。
市原教授が、解雇されたのも君が原因だ。
市原教授は、教授自身の進退か、君を退学にするか二択を選べと言われて自分の進退を選んだというわけだ。
だから、腸が煮えくり返るようなことが起こっても事件に二度と首を突っ込むな。
これは、君の命に関わることでもある。
それを、よく覚えておくことだ。
自分の勝手な行動が、どう影響を及ぼすかということをな。」
こういう形で恵里のとった行動に小野田は、逆襲してきたというわけである。
恵里は、肩を落とすしかなかった。
しかし、伊島教授は小野田の息のかかった人間ではないことがすぐにわかった。
伊島は、言った通り誰に対しても特別扱いはせずに平等に生徒を扱い誰に対しても優しい教授だった。
恵里は、市原に会いに行った。
「よう。古波蔵君。よく来てくれたね。」
「教授すいません。
私のせいで。」
「気にしなくていい。
私は、国谷先生の力でイギリスの大病院に紹介してもらったんだ。
問題なのは、伊島教授になったことで、君達の勉強が遅れることだ。
おそらく伊島教授は、マニュアル通りにしか動かないはずだ。
伊島教授じゃなくても、今、看護大学は政界に目をつけられてるから動けない。
でも、あと三ヶ月辛抱するんだ。
国谷先生自ら、看護大学に来てくれることになってる。
国谷先生さえ来れば、またいろんなところに研修に行けるはずだ。
それまで、おとなしくしていなさい。」
教授は、そう言った。
恵里は、それ以来別人のようにおとなしくなってしまったのだ。
恵里に変わってクラスの中心になったのが、佐山幸といった。
幸は、本当にいい娘だった。
クラス全員に慕われる存在で、伊島教授のお気に入りだった。
そんな時美紀は、伊島に呼び出された。
「君には、今年看護婦試験を受けてもらう。
君の才能を考えれば、看護婦として来年から勤務し、そして、三年後アメリカに行って医者になりなさい。
早い方がいい。」
だが美紀は、
「看護婦試験を受けるのは、みんなと同じにして下さい。
私も学生生活を、楽しみたいですから。」
美紀は、そう言って断った。
そんな時、事件が起こった。
幸が、何者かに暴力を受け刺されたのだ。
幸は、意識不明の重体だった。
医者は言った。
「この三日間がやまでしょう。」
伊島も、あまりのことに茫然とした。
美紀は、恵里に言った。
「恵里、犯人見つけよう!私は絶対許せない。」
「駄目よ美紀。
退学になるわよ。それに、私達の命も危うくなるわ。
警察に任せよう。」
「そんなの、恵里らしくないよ。
いつもの恵里なら、率先して動くはずでしょ!」
恵里の代わりに響子は言った。
「あんた、古波蔵さんが言ったでしょ。
退学になったら、全てを失うのよ。
自分の将来を、捨ててまでやることじゃないでしょ。
特に、あなたのような優秀な人であれば、将来どれだけ人を救うことができるのかあなたならわかるんじゃない。
だから早まったことはせずに、警察に任せた方がいいよ。」
美紀は、
「あなたは、地に足がついていないのよ。
先ばかりを考えて、今をみようとしない、そんなんで先に進めるはずないでしょ。」
そう言うと、美紀は他の生徒達と共に行ってしまった。
響子は、恵里に言った。
「いつも誰よりも感情的になるあなたが、どうして動かないの?」
「市原教授を、解雇させる原因を作ったのは私だからね。
それに、市原教授は言ったんだ。
三ヶ月後には、国谷先生が来るからそれまでは、おとなしくしてるようにってね。
それにもし、政界が背後にいた場合今度こそ看護大学は潰されるからよ。」
「なるほど。あなたらしいわね。
教授への義理立てか。
でも真田さん達が動いちゃったから、あなたが抑えても無駄よ。
私と今回だけは組まない?」
こうして、恵里と響子は初めてコンビを組んだ。
響子は、刑事部長と知り合いであったため詳しく状況を聞き、同じ手口の事件が、火曜日と金曜日に起こっていて、被害者は全員死んでいなかったことなどがわかった。つまり、犯人が被害者の苦しむ様子を見るためにわざと殺さなかったということである。つまり、犯人は近くにいるということである。二人は、捜査にあたった。
そこに国代が現れた。
「恵里さん、今回の事件の犯人がわかりましたよ。
妹の事件にも、つながってました。
妹は、通り魔に殺されたわけじゃない、もっと深い理由があったんです。
これから、犯人のところに行きましょう。」
三人は、犯人のところに向かった。
いきなり研修が中止になり、伊島教授に呼び出された。
「初めまして、私の名前は伊島正、新しい教授として赴任した。
私が、教授になったからには新井教授や市原教授のように私は、甘くないし特別扱いはしないから覚えておくことだ。
それと、これは忠告として言っておく。
今度、事件に首を突っ込んだら即刻退学にする。
市原教授が、解雇されたのも君が原因だ。
市原教授は、教授自身の進退か、君を退学にするか二択を選べと言われて自分の進退を選んだというわけだ。
だから、腸が煮えくり返るようなことが起こっても事件に二度と首を突っ込むな。
これは、君の命に関わることでもある。
それを、よく覚えておくことだ。
自分の勝手な行動が、どう影響を及ぼすかということをな。」
こういう形で恵里のとった行動に小野田は、逆襲してきたというわけである。
恵里は、肩を落とすしかなかった。
しかし、伊島教授は小野田の息のかかった人間ではないことがすぐにわかった。
伊島は、言った通り誰に対しても特別扱いはせずに平等に生徒を扱い誰に対しても優しい教授だった。
恵里は、市原に会いに行った。
「よう。古波蔵君。よく来てくれたね。」
「教授すいません。
私のせいで。」
「気にしなくていい。
私は、国谷先生の力でイギリスの大病院に紹介してもらったんだ。
問題なのは、伊島教授になったことで、君達の勉強が遅れることだ。
おそらく伊島教授は、マニュアル通りにしか動かないはずだ。
伊島教授じゃなくても、今、看護大学は政界に目をつけられてるから動けない。
でも、あと三ヶ月辛抱するんだ。
国谷先生自ら、看護大学に来てくれることになってる。
国谷先生さえ来れば、またいろんなところに研修に行けるはずだ。
それまで、おとなしくしていなさい。」
教授は、そう言った。
恵里は、それ以来別人のようにおとなしくなってしまったのだ。
恵里に変わってクラスの中心になったのが、佐山幸といった。
幸は、本当にいい娘だった。
クラス全員に慕われる存在で、伊島教授のお気に入りだった。
そんな時美紀は、伊島に呼び出された。
「君には、今年看護婦試験を受けてもらう。
君の才能を考えれば、看護婦として来年から勤務し、そして、三年後アメリカに行って医者になりなさい。
早い方がいい。」
だが美紀は、
「看護婦試験を受けるのは、みんなと同じにして下さい。
私も学生生活を、楽しみたいですから。」
美紀は、そう言って断った。
そんな時、事件が起こった。
幸が、何者かに暴力を受け刺されたのだ。
幸は、意識不明の重体だった。
医者は言った。
「この三日間がやまでしょう。」
伊島も、あまりのことに茫然とした。
美紀は、恵里に言った。
「恵里、犯人見つけよう!私は絶対許せない。」
「駄目よ美紀。
退学になるわよ。それに、私達の命も危うくなるわ。
警察に任せよう。」
「そんなの、恵里らしくないよ。
いつもの恵里なら、率先して動くはずでしょ!」
恵里の代わりに響子は言った。
「あんた、古波蔵さんが言ったでしょ。
退学になったら、全てを失うのよ。
自分の将来を、捨ててまでやることじゃないでしょ。
特に、あなたのような優秀な人であれば、将来どれだけ人を救うことができるのかあなたならわかるんじゃない。
だから早まったことはせずに、警察に任せた方がいいよ。」
美紀は、
「あなたは、地に足がついていないのよ。
先ばかりを考えて、今をみようとしない、そんなんで先に進めるはずないでしょ。」
そう言うと、美紀は他の生徒達と共に行ってしまった。
響子は、恵里に言った。
「いつも誰よりも感情的になるあなたが、どうして動かないの?」
「市原教授を、解雇させる原因を作ったのは私だからね。
それに、市原教授は言ったんだ。
三ヶ月後には、国谷先生が来るからそれまでは、おとなしくしてるようにってね。
それにもし、政界が背後にいた場合今度こそ看護大学は潰されるからよ。」
「なるほど。あなたらしいわね。
教授への義理立てか。
でも真田さん達が動いちゃったから、あなたが抑えても無駄よ。
私と今回だけは組まない?」
こうして、恵里と響子は初めてコンビを組んだ。
響子は、刑事部長と知り合いであったため詳しく状況を聞き、同じ手口の事件が、火曜日と金曜日に起こっていて、被害者は全員死んでいなかったことなどがわかった。つまり、犯人が被害者の苦しむ様子を見るためにわざと殺さなかったということである。つまり、犯人は近くにいるということである。二人は、捜査にあたった。
そこに国代が現れた。
「恵里さん、今回の事件の犯人がわかりましたよ。
妹の事件にも、つながってました。
妹は、通り魔に殺されたわけじゃない、もっと深い理由があったんです。
これから、犯人のところに行きましょう。」
三人は、犯人のところに向かった。