手術開始から5時間半…

PHSが鳴った。


『手術終了。医師より説明がある』


脳外科医が、脳のCTを説明。


手術自体は成功。

・90%死亡の可能性が、50%程度に落ち着いた

 まだ安心できる状態ではない。


・出血により脳幹部に圧迫あり。

 一晩様子を見る。再出血したら危険。


・左側に出血があるが、奥のため取り除かない

 取り除くことにより、周囲の脳にダメージがある


・分娩時の出血が多く、血液が固まりにくい状態

 出血が止まらない。


・左側のため、言語障害は覚悟してほしい


★説明の最中に父が卒倒…

  こういった話に弱いようだ。

  『なんで、こんなところで二次災害やねん!!』

  と母と、妹が立腹。

  父が、別のフロアに運ばれる。


18:00 『明日10:00にもう一度来てください。』

◆今夜妻に何か異変があれば、携帯に連絡くれるよう依頼。


説明が終わり、ICUの妻を見る。

人工呼吸器や点滴の管など体中に色んなモノが取りつけてある。

※まだ命があることを喜ぶが、

  あまりに変わり果てた妻を見ていたら

 涙がこみ上げる。

 

父を迎えに行く。

認知症気味の母が毎晩深夜に暴れるらしく、

寝不足が影響した様子。


19:30 病院を出る。


お義母さんは、名古屋駅付近のビジネスホテルへ


朝、3:00に妻が破水してから何も食べておらず、

空腹を思いだす。

家族4人で近所の中華料理屋で夕食。

あまり、食が進まない。


22:00 病院から電話にビクつきながら就寝。

※娘の事が完全に頭から離れている自分が

  はたして、父親としてやっていけるのだろうか… 

  妻の声が頭の中でグルグル回る。


◆深夜、母が少し暴れるが、

  皆疲れており、誰も相手にせず、母も寝付く…

11:00 手術開始

     『最悪の場合、30分くらいで終わる

     『手術中は病院用のPHSにて連絡する』


手術室前のベンチで一人待ちながら


※顔を白い布で覆われて出て来たら・・・

  頼むからすぐには出てこないで…

 PHSがすぐに鳴ったらどうしよう…


話し相手がおらず、押しつぶされそうな感覚 

    

日ごろ全く信仰心などないが、

たまたま財布にあった熱田神宮のお守りを握りしめる。

    

1時間経過…どうやら手術の対象にはなった様子。


今後、一人で育児をする自信がない・・・

  待ち遠しいはずの出産がなぜこんなことに…


しばらくし、私の両親到着。


14:00 神奈川の妹到着


妹;『人間はそんなに弱くない!!お兄ちゃんがしっかりして!!』


しかし、ネガティブな想像ばかりが頭に浮かぶ

泣きすぎてむせすぎて、頭痛が止まらない。


※何も出来ない自分が歯痒い・・・

  今は、ただお祈りするしかない…


父;『神奈川から妹がもう名古屋に到着したのに、

   お義母さんはまだ着かないのか?』

父が不審がっているため、

『外出してたから、そのあと向かっているみたい・・』

とウソをつく

※なぜ、こんな気を使わないといけないのか…


16:00 やっとお義母さん到着


淡々とした表情で、

『待つしかないですね…』

※そんなことは、言われなくても分かっている

見ているとイラっとするので、妹と赤ちゃんを

別のフロアに見に行く。


◆新生児科にて

 赤ちゃんの呼吸が弱いため、ケースに入っている。

 明日にはケースから出ているはず…

 ※赤ちゃんもやばいのか…

  その場で立ちくらみがする…

 

 鼻にチューブの入ったわが娘をみて・・・

※妻だけでなく、なんで娘まで・・・

  …と思いつつも、

※そんなことより、今は妻のほうが心配…

  父親として薄情かな・・・


手術から5時間半経過

16:30 PHSが鳴る


・・・続き・・・

8:13 救急車 病院へ到着


8:25 私が到着。

    産科の先生

    赤ちゃん、無事出産。 2820㎏


    母子ともに手術室、面会不可

    妻は、妊娠中毒症の分娩子癇の可能性。

    念のため、 CTを取る。


    一安心し、入院関係の諸手続き(書類記入等)を行う。


◆上司に、

  妻が救急車で病院に運ばれ、本日は休みます、

  とメールで伝える


9:30頃 CTの結果、妻の脳に異変あり

     大至急、脳外科医と相談する


しばらく後、

脳外科医より『脳出血・くも膜下出血』との事。

『出血が脳の左側を圧迫。開頭し減圧する。』


『出血が多く、生存率が10%程度。

大至急、親族を集めてください。

すぐ手術するので、手術同意書にサインをしてください。』


『顕微鏡など手術に必要なものは他で使っている。

 応急処置の緊急手術を11:00~行う。

 他の病院へ移している余裕はない。

 場合によっては、もう間に合わない。


★同意書 記載内容

  手術内容   ;左側開頭血腫除去

  放置した場合 ;死亡

  他の方法    ;なし

  手術の危険性 ;言語障害・四肢運動障害・意識障害


『いきなりサインしろと言われても出来ない。』

と答えるが、

『本当に、一刻を争う。』と言われサインする。


9:50頃、 妻の母(東京都)、

      私の両親(隣県在住)、妹(神奈川県)に

      状況を説明。


私の両親;出来る限りすぐ向かう。

       ※母が認知症気味のため、すぐの外出は困難。

私の妹  ;すぐに新幹線で向かう。

妻の母  ;用事がある為、明日行きます。

      ※回答には腹が立った!!

        なぜ緊急と思わないのか?

      →妻の母なので怒鳴ってはいけないと思い再度、

       『本当に大至急来てください。』と落ち着いて言う。

★この事が、今後の育児に影響する。


10:50;台に乗った妻が手術室へ向かう。

    この時、妻は意識なし。

    看護師から、

    『ご主人、何か話しかけて応援してあげてください。』

    と言われるが、

    泣いてしゃくりあげ、言葉にならない。

 ※ドラマのように手を握って話しかける…

   などは私には無理。


11:00 手術開始