私の言うことなので、間違っていることや勘違いもあります。
なので参考の一つにして頂ければ嬉しく思います。
このときに使用したいくつかの工具を紹介
センサーのコネクタを外すときに使用した工具
ブレーキキャリパーシール溝クリーナー
メタルラバー
ブレーキピストンブーツとピストンの滑りを良くして固着を解消 ブレーキフルードに混ざっても大丈夫
ちょこちょこ登場するシリコングリース
ブレーキキャリパーピンのブーツ内に給脂のときに使用したり スピードセンサーのo-ring部分に塗ったりしています (スピードセンサーのo-ring部分に塗るときは少量をうすーく塗るべし センサー部に付着するとエラーが出たりします)
では本題へ
問題発生
市街地を走行中、突然ABS/ ESP/ BASの3つの表示灯が点灯しました。
エンジンを再始動してみましたが、消灯せず。
・・・そのまま運転を続けて帰宅しました。
以前の経験
以前に友人のJKがこの表示灯を点灯させたことがあり、 その場面に立ち会った経験がありました
以下そのときの状況です
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【友人が点灯させたケース1】
スノーアタック中に切断したタイヤチェーンが暴れ、スピードセンサーの配線を破断したことによるもの。 その場で配線の被服を剥いて結線し絶縁テープを巻いて応急措置。約10m走行すると消灯。
【友人が点灯させたケース2】
オフロードコース走行中に点灯。スピードセンサーの配線を点検するも損傷なし。 広場に戻って二駆走行をしてみると右前輪を軸に挙動がおかしく、やや熱と異音が。 右前輪のブレーキ固着と断定して、メタルラバーによりピストンを揉み出してみると確かに固い。 揉み出しを3回程して軽―くなったところで試走。 約10m走行すると消灯。
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ということがあったなぁ~。 などと原因と修理法案を思案して まずはブレーキのお掃除・各スピードセンサーの点検掃除をしました。
ブレーキ掃除
ブレーキのお掃除、揉み出し、油脂塗布の一連作業は毎年スタッドレス⇒夏タイヤに変える春に塩害防止の為に実施している定例作業で1ヶ月前にやったばかりでした。運転していてもブレーキ系統はすこぶる調子が良いと感じていましたが、念の為実施。
・ピストンを押してみても軽く、固着なし。
・キャリパー周りも綺麗で油脂も十分。
・スピードセンサー・配線共に損傷無し。
・スピードセンサーを引っこ抜き、拭き掃除。
・作業中はバッテリー端子を外して、CPUのリセットを期待。
結果・・・
消灯せず。。。
点灯時の不具合?
その後連休があったり仕事が忙しかったりと、やる気が失せて放置状態へ突入。
実走行に悪さをするとも思えず放置継続となりました。
放置していた3ヶ月間、子供の幼稚園送迎、買い物、レジャー、高速走行総距離約2000km、林道走行2回、岩クロカン1回、山林クロカン2回。と、普通に使い倒していました。
放置期間の3ヶ月間を無駄にしないためにもレビューを下記します。
・稀に使えるときがあるが基本的にクルーズコントロールは使えない。
・クロカン時にトラクションコントロールの介入が無い。
・トラクションコントロールを介入させるために悪路急坂をぶっちぎってみても、効かない。
(トラクションコントロールはある程度の高速でのタイヤ回転が必要で、もともとクロール走行では介入しません)
・スピードメーターは正常。
・コンソール上の表示が緑、赤、白、オレンジと多彩に彩られて気になる。時期が時期ならクリスマスイルミネーションのようで気分を盛り上げてくれる。
・ESP OFFスイッチを押せばESP表示灯は一時的に消灯させることが出来る。
・その他なんら走行に影響は無い。
トラブルシューティング
アチラのフォーラムでの情報と自分の経験を織り交ぜて以下のようなトラブルシューティングをまとめてみました。
このときの私の状況から作業が簡単でお金の掛からないものから順に並べています。
DIYでの復旧フローなので「11)ディーラーへ」を最後に持ってきていますが、 状況によってはディーラーへ行くことは最終的に最も楽でお金が掛からない場合もあるかと思います。
1) スピードメーターの確認 ・スピードメーターが作動しない場合は四輪全てのスピードセンサー故障の可能性が高い。
・スピードメーターが作動しない場合はメーター動作テストを実施。
・メーター動作テストしてもメーターが作動しない場合は11)へ。
2) クルーズコントロールの確認 ・クルーズコントロールが使用できない場合はスピードセンサー故障の可能性が高い。
3) ステアリングセンターの確認(これはABS関係無し)
4) スピードセンサー/配線の汚れや損傷の確認
5) ブレーキ固着の確認
6) スピードセンサーの交換
7) ハブベアリング交換
8) アライメント調整
9) Clock Spring交換
10) ABSポンプ交換
11) ディーラーへ ここまでで「5)ブレーキ固着の確認」まで終了しています。
次のスピードセンサーの交換にあたり、どこのセンサーがイカれているかDTCコードで特定しようとしましたが「dOnE」と表示されるだけでコードが出てきません。
DTCの出し方とコード一覧はコチラ
どうやらディーラーにあるような”専用テスター”でしかコードが出てこないこともあるとかないとか。
Superchipsのようなディスプレイ付のもので今回のようなコードが出てくるのかは不明です、ただ単に鍵で出せるDTCコードを表示するだけのような気もします。
私の手元にはディスプレイ無しのAEV Procalしかないので真相はわかりません。
ということで、都内の最寄りディーラーに電話をしてテスター診断を問い合わせましたが診断料が6,000円とのことでキャンセル。
センサーはAmazon.com で22USD。
米国内送料無料で転送業者へ送ってから発送すれば4つ購入で商品88USD+送料34USDで計122USD。1個当りの総支払額30USD、ということで6,000円あれば約2つ購入することが出来ます。
交換の順序
数日後・・・ 4つの新品センサーが到着しました。 (フロント用のセンサー2袋のうち1袋にはなぜかセンサーが2つ入っていました。ラッキー!)
交換作業を実施するにあたりこのような表を用意してみました。
(メガーテスターをお持ちの方は抵抗を計測すれば不具合センサーを特定できますが)
Step1から作業が楽な順番に並べています。
リアはタイヤを外さなくても簡単にセンサー交換が出来るのでStep1とStep2に置いています。
中心にある顔文字付きの英語は 「Fine (^^)領域」はとっても簡単。 「Bother (--)領域」は面倒くさい。 「Ascetic (><)領域」は苦行。
この表は不具合センサーの特定を目的に作成されていますが、一方で機器整備計画の考え方として稼働時間が同じ複数あるもののうち1つが経年劣化により不具合が発生した場合はその他のものはその健全性を検査等により証明するか、もしくは全て新替えすべきということもあります。(これは不具合が経年劣化やメーカー推奨時間経過によるものである場合のみ、また機器の重要度によって該当しない場合もあります。)
センサーに不具合が発生しても緊急を要するような悪影響が無いことも分かっているので、センサー1個3000円という決して安くない出費を抑える為にも不具合センサーの特定をして不具合センサーのみを交換したいところですが、全てのセンサーを交換して車全体としての健全性維持に努めたくもあり、悩ましいところです。
そこで表にStop Search WorkとMind Change Pointを設定しました。Stop Search WorkはAscetic (><)領域の途方もない特定作業はやりませんという境界線です、その際、同時にMind Change Pointも訪れて全てのセンサーを交換して然るべきという思考変換をします、ディーラー診断料6,000円=センサー2個分ということから損益分岐点でもあります。
=作業シミュレーション=
【Step2まで作業して正常復旧した場合】
SearchのBother (--)領域の作業を実施してリアのどちらのセンサーがイカれているか特定する。
余ったセンサーは予備品となるので支出として算入はされない。
【Step2まで作業して正常復旧しなかった場合】
Step3、Step4のBother (--)領域を淡々とこなし終了。Ascetic (><)領域は実施しない。
【Step4まで作業して正常復旧しなかった場合】
トラブルシューティング「7)ハブベアリング交換」へ移行。
交換作業
長くなりましたが、作業開始です。
まずStep1。
左リアのセンサー交換。
プラスチックコネクタの赤いツマミが硬くてなかなか引けません。なんとかコツをつかみブレーキキャリパーシール溝クリーナーを駆使して外せました。センサー端子に青錆を確認。これが不具合センサーに違いないと確信し、テスト走行実施。
10m走行・・・50m走行・・・500m程走行・・・・・・表示灯は煌々とそのオレンジ色のともし火を放ったまま。
Step2。
右リアのセンサー交換。
500m程走行・・・・・・消灯せず。
ここで特定作業は中止。
マインドチェンジポイントに到達。
Step3左前交換後テスト無しですぐにStep4右前を交換。
フロントのコネクターは配線を引き回してエンジンルーム内から出して作業すると楽に出来ました。
この板の穴が小さすぎてセンサーが抜けないだけで、センサーの清掃も含めてこれでハブ付きシャフト抜き作業を4回実施してしまい徒労感に苛まれました。
作業性を考えれば穴を拡張するか、この板自体取っ払ってもいい気もしましたが、少なからず防汚効果があるのかもしれないという期待を込めてそのまま復旧。
復旧!!!
そしてテスト・・・ 10m走行・・・ 消えた!!!!
結びに…
ドリフトとかレースをする人たちの間ではJ6番のヒューズを抜いてESP/ABSを殺せして楽しむ人もいるようです。
放置期間の実績ではとくに不具合と感じることもなかったのでもうセンサーを全て取っ払って、今後の劣化/故障の要因(出費要因)を根本から除去してしまおうかとも一瞬頭をよぎりました。
しかしスピードメーターが機能しなくなるのはマズイので今後もちゃんと全て付けた状態を保とうと思います。
ダイムラー社の車、クライスラー300C、ダッヂチャージャー、JK等で同症状が発生しているブログ記事等を発見しました。ブレーキダストや熱、不整地での汚損で悪影響を受け易い位置にあり、構造的に消耗品扱いすべきところなのかと思いました。
JKラングラーはダイムラークライスラー時代に設計された、
「Jeep Gクラス」といわんばかりの高い完成度を誇っています。
しかしこの車速センサーはオフロード四駆にとっては厄介な置き土産といったところでしょうか。
おしまい。