まだ実家に住んでいる頃、3日続けて同じような夢を見た。自分の部屋に固定カメラがあって寝ている自分が映っていた。しばらくすると、俺の部屋の扉が少しずつゆっくり開いていく、でも3分の1ほど開いたところで目が覚めた。俺は扉を背にして横向きに寝ていた。目が覚めて振り返って扉を見てみると夢と同じく3分の1ほど開いていた。これが1日目の夢。
2日目。昨日の夢の事など、忘れていたと思う。
同じく眠りについた俺はまたその夢を見た。全く同じ夢。一つ違うのは、昨日は3分の1しか開かなかった扉が3分の2まで開いた。でもそこで夢から目が覚めるとこの日も扉に背を向けて寝ていた。振り返って扉を見ると夢と同じく3分の2が開いていた。
3日目。夢の事は誰にも話していなかった。でも正直怖くて眠りたくなかったのを覚えてる。いつの間にか眠りにつくと、また例の夢を見た。今までと同じ夢、でも予想通り今回は扉が全部開いた。開いた先は真っ暗な廊下。やっぱり俺の家。でもそこには暗闇よりもっと黒い何かが這いつくばって俺の背中を見てた。
それはゆっくりと俺の部屋に入ってこようとしてた。あと一歩のところで目が覚めた。でも昨日までのようには振り返って扉を見る事ができなくて。目を閉じたまま起きていて、そのまま朝を迎えた。ずっと壁を向いたまま寝ていて怖くて寝返りが出来なかったのがすごい苦痛だったのを覚えてる。今思えば、夢から覚めた時の俺の寝相とか向いている方向も毎日一緒だったな。
いつまでも部屋から出ない俺を見かねて、母親が俺を起こしに来た時こう言った。「なんでエアコン入れてるのにドア全開にしてたの?」怖すぎてその日以降はしばらく兄の部屋に布団を持って行って兄と一緒に寝てた。
あのまま俺の部屋で寝てたら、その影は俺の部屋に入ってきてたのかな。もし起きた時に振り返って扉を見てたら、その影もそこにいたのかな、その時俺はどうなってたのかな。
今でもたまに思い出す、本当に怖かった16歳の夏。今は結婚してマイホームを建てたけれど、そのトラウマで扉は開けっぱなしでしか眠れない。