ちょっと暖かくなってきた日の午後、
渋谷のスクランブル交差点にて信号待ちをしていると
僕の横にいたギャルA「あれって○○じゃない?」
その隣にいたギャルB「そうじゃん!ヤバい!」
そして僕の前にいたスラッとして背の高い、恐らくこの感じは
顔がいくらイマイチであってもイケメンの部類に区分けされるであろう男性の所に
ギャルAがトコトコと歩み寄り
僕の前にきたギャルA「すいません!○○さんですよね!応援しています!
握手して下さい」
大物ではないにしろそこそこのイケメン(仮)「あぁ、どうも…」(軽く握手)
この感じ……
羨ましい…羨まし過ぎる…
間違いなく彼はこの数秒間で信号待ちをしていた人の中での
人間価値ヒエラルキーの頂点に躍り出たことでしょう。
そんな彼をひがみ9割、尊敬1割の眼差しで見ていたところ
彼の”無地なのに9800円もするの?”Tシャツ(仮)から
神々しく伸びる腕に一つのホクロがありました。
彼も人間なんだと再確認した後に僕の眼球が何ミリか出てしまう光景を
目の当たりにすることに…
そのホクロから力強く根付く一本の枝が…
そうです、ホクロ毛です。
その存在を知ってか知らずか、どちらにしろ僕の中では含み笑い9割、同情1割に
変わったこととはつゆ知らず、青に変わった信号を颯爽と歩んでゆく
絶対大物ではないにしろそこそこのイケメン(仮)の背中を見つめ、僕は誰よりも朗らかな表情を浮かべながら見送りました。
親は朗らかな人間になって欲しいということから
僕に「史朗」という名前をつけたそうです。
父さん、母さん、どうやら僕は一歩ずつ理想の息子に近づいているようです。