お医者さんと結婚する方法はこちら
30代の婚活 独身女性たちの庭(新館)はこちら
30代の婚活 独身女性たちの叫び(別館)はこちら

今日はバレンタインデー。

言うまでもなく、大事な大事な一日です。

ベーグルの真ん中に空いてる穴くらい大事な一日です。



一度、家に帰ってから待ち合わせに向かうので、
午後5時になると同時に、ダッシュで退社・・・

とはいかず、


・・・念の為に、


「おほほ。バレンタインデーって何ですの? 新しくおフランセからやってきたお菓子かしら」


みたいな、素知らぬ顔をしながら退社。


会社の皆の衆の顔が見えなくなってから、
駅まで猛ダッシュ。



だから、髪型のセットがうまくいくか分かんないっつーの!



ダダダダッ



いつもより、
2つばかり早い電車に乗ることができて、
ほっと一息。


ふぅ。


たぶん、誰からも気づかれてなかったはず。


この必死さ!


(どうかな、アブナイな)




家に帰り着くと、
うがいをして、
手を洗って、
服を脱いで、
用意しておいた服を取り出して、
用意していたバッグの中身を確認して、
すぐに髪型のセットにうつります。



うぅぅぅ。いそげぇぇぇ。



○十分後



う、うん。
いいんじゃない。

これくらいで、
もうベストに近いんじゃないかしら。

もう、
これ以上やっても、
ほとんど残ってないラーメンの残りの具を探すくらいの、
効果しか残っていないんじゃないかな。


そんなことする暇があったら、
早く行って待ってよぅ。


遅れるとSさんに悪いしね。


時間を確認すると、
約束の時間には余裕で間に合いそうです。


よし、最終チェックだ。


姿見の前に立って、
最終確認をします。

何のためか分からないけど、
ちょっと、モデルみたいに、
色んな姿勢をしてみたりします。

(さんざん、昨日したんだけど)


よしっ。


Sさんを待ってる時の姿勢の確認もOK。


私なりに、そつがない。


いくぞっ。





電車に乗って、
待ち合わせ場所に向かいます。

心なしか、
電車の中も、
いつもより、ちょっぴりピンク色な気がします。


う~ん。


今日、日本中の女子が、
ピンクだわぁ~~~。


と思ったけど、
昨年のバレンタインデーの自分を思い出して、


「いや、日本中の全員ってわけじゃないかぁ」


と口に出してしまう私。



だから、人の心配してる場合じゃないっ!



駅に到着。


緊張してるせいか、
いつもより早く着いた気がします。



長いエスカレーターに乗って、
上の方に運ばれているうちに、



あぁぁぁ、また、緊張してきたぁぁ。


今日、どうなるんだろう。



聞かされてることは、


「仕事が忙しくて、時間がとれない」


ってことだけ。



ってことは、
ほんとに、チョコ渡しただけでバイバイになっちゃうのかなぁ。


あぁ、もう、
これ、何百回も考えたから、もういいっ。


あとは、でたとこ勝負よっ。



周りは、
バレンタインで色々デコレートされてるんだけど、
そんなのに目もふれず、
ずんずんずんと力強い足取りで、
待ち合わせの場所に向かう私。


なぎなたは持ってないけど、ちょっと弁慶。



ふぅぅ。着いたぁ。




な、なにいぃぃぃぃ! もう、きてるぅぅ!



しまったぁ。
こんなに早く来てるなんて、
思いもよらなかった。


あぁん、待ってる時の色っぽいバッグの持ち方とか、
足のクロスの仕方とか、
すっごく研究してきたのにぃ(ばか)。


とにかく、行かなきゃ。




「ごめんなさい。遅れちゃって」


「あっ、こんにちは。お久しぶりです」


ダメだ。久しぶりのスーツ姿見たら、鼻血が出そう。


きゃっこよすぎるっ。


思わず「スーツ姿イケてますね」とか、
変なことを言いそうな口を封印。




あっ、どうしよ。
ちょっと間が空いちゃった。




いきなり、チョコ?


いや、何か、しゃべったほうがいいな。


「お仕事忙しそうですね」


あわわわ、
これじゃ、何かSさんを責めてるみたいじゃん。
訂正、訂正しなきゃ。


な、何て言えばいいの?


「こんな忙しい日本に誰がしたっ」


って、ここで妙な政治批判とかやめてっ。


そうじゃない。女の子っぽく、


なんか、訂正してぇぇぇ




もう、ほんとパニック状態。




「ごめんなさい。せっかくの日に来てもらったのに、あんまり時間とれなくって」


あぁ、もう、ほら、
謝らせちゃったじゃん。ばかっ。私のばかぼんぼんっ!


「いえいえ、もう、何て言うか、ほんと、来てくれただけで、すごくうれしいです。はい」


何か、日本にきたばっかりのアメリカ人みたいになってるしぃ。



ど、どうする? もう、チョコ渡しちゃう?
だって、忙しいってもう認めちゃったもんね。



「もし良かったら、ちょっと飲み物でもどうですか」


と、Sさん。





わーおっ





そうきたかぁ。うれしいほうの、誤算だぁ。やったやった~~~。




なんか、私の頭の中で、
いきものがかりが応援してくれてる感じ。


今、カラオケ行ったら、
恥ずかしがらずに、スパークできるのに。

いつもみたいに、モジモジせずに、
「じょいふる」とかも歌えそうだよ。



お店に入ると、
いい方の席をSさんがゆずってくれます。


ありがとうございまするぅ。ほんとに、私なんぞに。


「何にしますか?」

「あっ、Sさんと一緒のやつで」


って言って、
あっ、こらこら、ここはそうじゃないだろ。


Sさんが、
もし、エスプレッソとか頼んじゃったらどうするんだよっ、
って思いなおして、


「やっぱり、ミルクティにします」


と訂正。


ふぅ。緊張してるにも、ほどがあるぜっ。

相手が何を飲むかも確認せずに、
「一緒のやつ」とか、あわてんぼうのサンタクロース、クリスマス前にやってきた過ぎるぜっ。



「あの~、これ。もし良かったら食べてください。全然美味しくないと思うけど」


って言いながら、
すっごくたくさんの試作品の中で、
一番美味しかったチョコを渡す私。


Sさん、ほんとはね、たぶん、おいしいよっ。


疲れた時、食べてねっ。うふっ。




「ありがとうございます。本当にうれしいです。もしかして、手作りとかですか」


えっ! やっぱ、重かったかな。


「あ、はい。そうです。一応」


「うれしいです。僕、こういうのもらったことがなかったから」


うれしいって言われて、
私もすごくうれしかったんだけど、

「こういうのもらったことがなかったから」

って、
つまり、元カノさんのことだよね、
ってことに気付いて、


すごく嫉妬。


ほんと、ヤな女だわ。私。


こんな日に嫉妬とかしちゃダメだよ。

反省しながら、とりあえず水を飲んで、
頭を冷やします。



と、その時、


「一粒だけ、今、食べていいですか」


とSさん。


ええっ。だめだめ。
ここ、アメリカじゃないんだよ。


「恥ずかしいっ」


って言って、次の言葉が続かない私。

ここで、言葉止めたら、なんか、変な感じになっちゃうだろっ、私っ!


「冗談ですっ」


と、爽やかにクスリと笑うSさん。


えっ、今、ちょっと、私のことからかったの?


からかったんでしょっ!



と、30代特有の、
ちょっぴり卑屈な心を出しちゃう私。

でも、この前より、
若干、リラックスムードで、
心が落ち着いてる。


うん。
今日は、たぶん、突然のお別れとかは、
言われなくて済みそうな感じ。


ちょっとだけ、
お話して、
ちょっとだけ、
仲良くなって、
また、メールのやりとりだけの二人に戻るんだ。


なんとなーく、
そんな予定調和を感じながら、
ミルクティを飲んでいる私。




でも、今日はバレンタインデー。


そんな、なにごとも起こらない一日なんて、
神様が許してくれるわけはなかったんです。



「ちょっと真面目な話をしたいんですけど、いいですか」


とSさん。



カラダが硬直する私。



えぇぇぇっ、と、突然すぎるよぅ。



真面目な話って、何?

政治の話とか、
経済の話とかじゃないよね。

この流れからいって。



たぶん、


Sさんと私の今の関係


について、
何か関係あることだよねぇ。


えぇぇっ、
なに、なに、何言われちゃうのっ、私っ。


な、何言われても、
今の私じゃ気絶しちゃうよっ。


それでも、いいの?


この前より、
ひどい事態になっちゃうよ。





「僕考えてみたんです。ふたりの関係について」




Sさんは、
そう口を開いた。


私は、人の話を真剣に聞く時にそうなってしまう、
ちょっとだけ口が開いた状態で、
Sさんの目を見ていた。


何があっても、
この瞬間を見逃さないようにしよう。

また、私の人生が揺れようとしてる。








なが~く、
なってきたので、
続きは明日書くつもりです。

あまり、過度な期待はせずに、
それでいて、ちょっとだけ期待して、
待っていてくれると、うれしいです。

少なくとも、
Sさんの家にお泊りしちゃったとかはないので、
安心してください(何の安心だ)




(おまけ)

Sさんのスーツ姿はヤバいです。

細身のスーツを開発した職人は神です。


応援クリックしてくれると、うれしいです。更新の励みになります。 → 人気ブログランキングへ
いつもクリックしてくださる方々、本当にありがとうございます。