(昨日までのあらすじ)
合コンに誘われて、ノコノコとやってきた私。
しかし、そこは予想だにしなかった、
めくるめくセレブ合コンだった・・・




どきどきしながら、部屋を見渡すと、
男性陣が5人ほどすでに来ている。

その瞬間、あれっと思った。


なんとなく、
ここまでの流れからして、
今回の合コン(?)相手のメンズたちも、
きっとスマートな感じで、
おしゃれっぽい感じなんだろうなぁ、
と、予想していたから。


んでも、目の前にいる5人のメンズは、
何となく違う。


確かに、女慣れはしてる。
そして、お金も持ってそう。

でも、おしゃれっぽくないし、
スマートでもない。

ん~、まぁ、イメージと違うけど、
こんなものなのかなぁ。


5人メンズは、
早くも今やってきた女の子たちと楽しそうにしゃべっている。

確かに、美人としゃべっても緊張はしてなさそうだ。
やっぱ、こういうのに慣れてるんだ。


ちょっと一人だけ浮いてる感じで、
当たりを見渡していると、


「もう中身なくなってんじゃん」


と後ろから男性現れ、
私が持っていたシャンパングラスをひょいとつまんだ。


わっ、近いっ!


とっさに思ったのがこれ。


んもう! 
半径1メートル以内に入るときは、言って欲しいよ。
びっくりしたぁ。


男A「何飲む?」

私「え、え~っと、何でも。いや、さっきと同じやつで」


男Aが目くばせすると、ボーイさんが、
さっきのシャンパンを持ってきてくれます。


男A「ここくんの初めてじゃない?」

私「あ、はい。そうです。すいません、何か、地味で」


私のトンデモ発言に対して、
男Aは、ハッハッハと、すごく楽しそうに笑います。


男A「まぁ、楽しんでってよ」


そう言いながら、彼、
私の腰に一瞬腕をまわした。


!!!


誰も、今、ウエスト測ってって頼んでないよっ!


何か、もう完全にテンパってきて、
それに、誰も話し相手いそうにないし、
帰ろうかなぁって思ってたら、
Kさんがやってきた。


K「どうですか? 楽しんでます?」

私「いや~、なんかさ、こういうのはじめてで。何か普通の合コンしか行ったことないから」

K「え~っ、普通じゃないですかぁ」


まぁ、見抜けなかった私がいけないんだけど、
Kさんって、こういうキャラだったのかぁ。
セレブ好きなのかなぁ。


私「なんか私、迷惑じゃないかな。空気乱しちゃいそう」

K「大丈夫ですよ。みんな好きにしゃべってますから」


う~ん。仕事中のKさんと、雰囲気ぜ~んぜん違う。
これじゃぁ、読めないよなぁ。


その後、
Kさんと、少ししゃべっている間に、
だんだんと男性の数が増えていく。

もう、これ、
絶対合コンじゃないよ。パーティだよ。

何のパーティかはわからないけど。


男性の中でも、結構派手そうな人が、
シャンパンを開けたら、
中身が飛び出した。


もったいね~っ、これ30万だぜ。
とか言って、誰かが笑ってる。


もう、遠い国の話だよ。


「楽しんでますか」


うわっ!

後ろを振り返ると、
さっきと違う男性がいる。


しかも、また近いっ!


こんなんじゃ、楽しめないよっ! と言いたいのをこらえて、

「まぁまぁです」

と良くわからない返事をする私。
だって、本当によくわからないんだもん。


「君、彼氏いんの?」


と聞いてくる男B。

・・・なんで、急にタメ口なんですか?

っていうか、多分、私の方が年上だよ。


私「いないけど」

男B「ふ~ん。そうなんだ」


何がふ~んよ。
どうせ、興味もないんだから、いちいち聞かないでよね。


と、焦って卑屈バリバリの私。


「今度、遊び行かない?」


と男B。しかも、目線は、私を見てないっ!

こいつはあれだな。相当な遊び人だな。
どうしよう。はぁ。もう、いいタイミングのところで帰ろう。

っていうか、Kさん、
こんなイメージ全然なかったのに、
何か、アフター5(古い?)変わりすぎ。とまどっちゃうよ・・・


!!!


また、腰っ! やられたっ。


男Bが知らないうちに、近づいてきて、
腰に手をまわされてる。

しかも、ちょっと、力を入れて、
私の体を引き寄せようとする。


私、焦って、
その男の手首をつかんで、引き離す。


なぜか、男、不思議そうな顔をして、
私の方を見てる。


な、なによ。
あんたの周りの女の子って、
こういうことしても、
全然怒んないの?


私「すいません、慣れてないもんで。へへっ」

と、ちびまる子ちゃん風な苦笑をする私。
なんで、私が苦笑なのよっ!



男は「ふ~ん、そうなんだ」みたいな顔をして、

「また、後で話そうね」

というと、ガヤガヤした方に行ってしまった。


一体、何なのよ。


ため息をつきながら、
また、シャンパンを口にする。

結構、おいしいじゃない。

こんな状況なのに、私の味覚ってすごいわ。



さて、どうやったら、
自然な流れで、Kさんの立場を悪くすることなく、
この場を立ち去れるだろう。

そんなことを考えながら、
デザートのチョコレートムースみたいなやつを食べてる私。

何、このムース。材料何なの。超うまし!

そんなこと考えてる場合じゃないよっ、私っ!
もう、現実逃避やめて、考えろっ。



しかし、みんなお酒回ってきてるなぁ。
結構、男も女もフラフラだ。
1本いくらか分からないけど、
瓶ごとラッパ飲みしたりしてる男の人がいる。

相変わらず、ボーイさんたちは、
ぴしっっと部屋の壁の近くでスタンバってるし、
部屋の中央では、
ボーイさんの3分の1くらいしか格好良くない男たちが、
美女と談笑してるし。

それを遠巻きに、ただ見てる私。

なんか、ちょっとした趣のある絵画になりそうだよ。



その時、すごい音がした。


ガシャガシャガシャーン。


それと同時に、キャ~ッという、いくつもの女性の声が。

みんなの視線がそこに集まる。
どうやら、酔っ払った男の一人が、
シャンパンタワーを崩してしまった模様。


ふぅ。やれやれだな。
そんな感じで、ぼんやりしている私。



思い出してみると、このシャンパンタワーの崩壊が合図だった。

ここから急速に、場の空気の色がピンクに変わっていくことになる・・・






 その3へつづく・・・


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