例の出会い系の人と会う今日になった。
同い年の男の子。
特別カッコイイわけではなかったけど
価値観が似てていいと思ってた。
けど、どうしても心の底から楽しみ!とは言えなくて。
会社に行くと私は無意識に彼を探した。
ストライプの入ったワイシャツを着た彼は今日もさわやかで
彼の姿を見るだけで自然にしあわせな気持ちになる自分に気付いた。
彼はこんなふうに私が見てるなんて きっと気付いていない。
そもそも、彼のことはほとんど知らない。
完璧な一目惚れだ。
世間一般的にカッコイイ!って感じじゃないかもしれない。
いかにも優しい感じで、ちょっとクールっぽいというか飄々とした感じで
少し頼りない感じで、俺はトップになってやる!みたいにガッツがある感じでもなくて
けど、仕事は何事もソツなくこなす感じで
さりげなく品のあるオシャレさんで
黒髪で、ちょっと長めの短髪で、ツンツンってしてる。
無条件に恋に落とされて
私はその一瞬から彼ばかりを見てる。
彼の存在を知って、どうしても近づきたくて
彼がデスクから離れて仕事をしているとき
彼の手元にあった共用の定規を使おうとした。
「すみません。これって1本使ってもいいですか?」
彼は、私に気付いてこっちを見て
「あぁ、どうぞどうぞ。なんだったら2本どうぞ」って笑ってた。
まさか冗談を言う人には見えなかったからビックリして
そして、彼の知らなかった一面を見てすごく嬉しくなって
私は彼の言葉と
初めて見た笑顔に思わず顔がゆるんだ。
この人 こんなふうに笑うんだ。
彼に近づきたい。
もっと知りたい。
そんなことばかりを考えて一日過ごしてる。
気付いたら、例の彼と会う時間がせまっていた。
約束してたとか
そういう決まりごとを越えて「どうしよう」と思った。
実際に仕事がたてこんで少し遅刻しそうだった。
「忙しそうだけど大丈夫?また今度にしようか?」
「大丈夫」と打ちかけて 全部消した。
「ごめん。会えない」
私の目の前には彼しかいない。
私はこの人を好きだ。
彼のことなんてほとんどわからない。
けど、どんなことがあっても
彼のことを好きでいる自信がある。
なんでだろう?
自分には想像できる。
彼と仲良くなれる自分を。
彼の隣で笑ってる自分を。
まだまともに会話したこともないのに。
ちょっと危ないかな。
私が常時彼ばかりを見てるおかげで
一日に何度も目が合う。
何度も挨拶できる。
こんなことを書いておきながら
どうしようもなくチキンな私は
今までお辞儀しかできなかった。
向こうも「・・・っす」って頭をちょっとさげるようにお辞儀してた。
今日、初めて帰りに「お疲れ様です」って言えた。
「お疲れ様です」 彼が軽く会釈した。
それだけのことなのにたまらなくしあわせ。
彼のためだけにかわいくなりたい。
そう思った。