幸呼の会の宇都宮典子さんが
愛媛県の犬猫の現状や規制を詳しくわかりやすく書いて下さいました。
私も知らなかった事が多く、大変勉強になりました。
犬猫の命を守るため、まずは知る事が大切ですね。
ぜひ熟読されますように。


●●●●●Vol.1●●●●●

《愛媛県の🐕🐈のこといろいろ Vol.1》

愛媛県動物愛護センターに収容された老犬がまた1頭亡くなりました。
耳も聞こえてなさそうで、目も見えてなさそうで、歯もボロボロで…それでもあの仔は最期まで飼い主さんを想い、迎えに来てもらえると信じて待っていたと思います。
センターの職員さんはお家に帰してあげたくて精一杯看病してくださいましたし、幸呼の会でも新しいお家を一生懸命探しましたが、間に合いませんでした。
あの仔の飼い主さんがどこのどなたかはわかりません。探していたかどうかもわかりません。探していたけど辿り着けなかったんだろうと思います。

こんな時に幸呼の会は、自分自身の無力さに腹が立ちとてもなさけなく、仲間と大泣きするのです。

さて愛媛県内には、自宅の犬猫が居なくなった時にどうすれば良いか?とか、収容された犬猫がどうなるのか?とか、知らない人が多くいらっしゃるのではないかと思い、時々《愛媛県の🐕🐈のこといろいろ》と題して思いつくままにいろんなことを書いていくことにしました。

今回はそのVol.1です。

愛媛県下には東は四国中央市から南の愛南町まで、沢山の市や町があります。
🏯その中でも松山市は独立行政で、松山市内で迷子になった仔は松山市保健所に保護収容されます。
収容されて1週間は元の飼い主さんを探し、次の1週間で新しい飼い主さんを探します。合計2週間の間に元の飼い主さんや新しい飼い主さん、保護主さんが現れなければ、センターの処分日に移送されて殺処分となります。
また、成猫の保護収容はされませんので、ご注意ください。

❓松山市以外の市や町はどうなるの?
     ↓
各市役所町役場で保護収容されます。その期間は2日から1週間、10日くらいで、その後センターに移送されます。保護収容されたら、各市役所町役場のHPに迷子犬猫情報として掲載されます。

各市役所町役場に保護収容された仔の所有者は『愛媛県知事』となり、飼い主さんにお返しすることしかできません。各市役所町役場から新しい飼い主さんに譲渡することは、基本的にできませんのでご理解ください。
ただひとつ、西予市だけは幸呼の会(宇都宮)のみ引き出しや譲渡ができますことも、書き添えておきます。

❓センターに行ったらどうなるの?
      ↓
概ね1週間の保護収容期間があり、その間はセンターのHPに掲載されます。
これも元の飼い主さんを探す為の情報です。
1週間が過ぎたら…殺処分されることもありますので、飼い主さんは一刻も早く連絡してお迎えに行ってください。

愛媛県動物愛護センター☎️
 089-977-9200 (8:30〜17:15)

❓譲渡はされないの?
     ↓
元の飼い主さんが見つからなければ譲渡される仔もいます。『里親募集!』と明らかには書きませんが、気になる仔が居たら幸呼の会までご連絡ください。

幸呼の会連絡先
Email👉dog.cat.kokonokai@ezweb.ne.jp
LINE🆔👉kokonokai
電話番号👉080-9835-2029

❓何故『里親募集!』と書かないの?
     ↓
各行政やセンターは、新しい飼い主さんを探す施設ではないからです。それに誰の犬猫かもわからない仔を勝手に『里親募集!』はできません。飼い主さんが一生懸命探していらっしゃるかもしれませんしね。それでも飼い主さんが名乗り出てこられなくて、
「是非うちの仔に!」
と言ってくださる方がいらしたら、譲渡もします。

🏠譲渡先は終生飼育をお約束してくださる個人さんです。団体さん、ボラさん、保護主さん、預かりさん等への譲渡はできませんのでご了承ください。

🏢各市役所町役場では、成猫の保護収容はお断りしております。
例外として負傷していたり、衰弱していたり、放っておけないと判断した場合には保護収容して、早めにセンターに移送します。

という流れですので…

🏯松山市内でご自宅の犬猫が迷子になった方は、松山市保健所へ!
🍊松山市以外でご自宅の犬猫が迷子になった方は、各市役所町役場へ!
合わせて警察署やセンターに届け出てください。

⚠️愛媛県内の犬や猫の飼い主さんへのお願い……
① お家の犬や猫が居なくなったら探してください。
  「そのうち帰ってくるやろう」の『そのうち』はありません。
  帰れなくなってるのかもしれません。
  行政の鉄の檻に入れられたら、あの可愛い肉球では開けることができません。

② 一緒に暮らせなくなったら、新しい飼い主さんを探してください。けして飼育放棄や遺棄はしないでください。




●●●●●Vol.2●●●●●


《愛媛県の🐕🐈のこといろいろ Vol.2》

一年のうちで春と秋は子猫の季節と言われています。暑くもなく寒くもないので、母猫が子猫を育てるのに適している為産まれる季節なのです。
幸呼の会にも生後1ヶ月未満の乳飲み仔と、やっと1ヶ月過ぎたかなと思えるような仔がそれぞれやってきました。
乳飲み仔はミルクを飲みながら離乳食も食べられるようになりました。1ヶ月過ぎで幸呼の会に来た仔も元気に大きくなっていて、今日2頭を新しいお家に送り出します。

毎年のことですが、
「子猫が居て…」
とお電話が来る度に
「またか…」
とうんざりします。

それは自宅で産まれた仔だったり、庭に居る野良babyだったり、偶然見つけた仔だったりします。

お子さんがいらっしゃる方は思い出してみてください。
いらっしゃらない方も想像してみてください。
小さな我が子が急に居なくなったら、どうするでしょう?
警察署に届け出て、ご近所やお友達にも話して、死に物狂いで探し回るのではないでしょうか?
猫も同じです。子猫を奪われた母猫は、食餌も取らず水も飲まず探し回ります。その時の声が妊娠期の声によく似ており、雄猫が寄って来て交尾をして、またすぐ妊娠出産するのです。早い仔では、子猫を取り上げて2週間後には妊娠したとも聞きました。

猫はペニスが短く挿入が下手ですので、一度挿入できたら抜けにくいようにペニスに釣り針のかえしのようなものが付いており、射精したらそのあとで排卵するという『交尾排卵』の形態を持ち、必ず妊娠するようにできています。一緒に産まれた子猫の毛の色や長さ、目の色が様々なのは、父猫さんが数頭居るということでもあります。

そうしてやっと産まれた小さな子猫だけを取って届けられても困ります。
「あなたボランティアでしょ!」
と強気に言われても困ります。
幸呼の会は猫ではありませんので、子猫を育てるのは難しいです。
猫ってすごいですよ。あんなに小さなbabyを大切に立派に元気に育て上げるのですから!何日も子猫から離れることもなく授乳し、ウンチやオシッコを促し、身体を清潔に保ち、保温し安心と愛を与えるのです。
人間が子猫を育てるには人間のbabyを育てるのと同じで、2時間置きの授乳、保温、清潔、排尿排便…大変なことです。それも一度に沢山の仔ですから。

今回《愛媛県の🐕🐈のこといろいろ Vol.2》は、子猫のことです。

❓自宅の猫が出産しました!
     ↓
おめでとうございます!元気ですか?
全部を飼育できないのであれば、生後2〜3ヶ月は親子兄弟で居させてあげてください。譲渡するならそれ以降です。
産まれて困るなら離乳後母猫の不妊手術をお願いします。

❓庭に子猫が居ます!
 納屋で野良猫が出産してます!
     ↓
母猫は居ますか?居たら一緒に保護してください。居なかったら帰ってくるかどうかを数時間待って、一緒に保護してください。
帰って来なければ、子猫ちゃんだけ保護して授乳や排泄のお世話を生後2〜3ヶ月面倒見てください。新しいお家探しはそれからです。
「面倒見れん!」
のであれば、その猫達の食費砂代医療費のご協力をお願いしたいです。

❓お腹の大きな猫が居ます!
     ↓
妊娠しているかもしれません。どうしたいですか?
産ませるという選択肢も有りだと幸呼の会は思います。その場合、やはり生後2〜3ヶ月は面倒を見ていただきたいです。離乳後母猫に不妊手術もお願いします。
また猫は堕胎も可能です。かわいそうですが、そういう選択肢もあります。
よくよく考えてご決断ください。

🖐「子猫ちゃんだぁ!」
「可愛い!」
と無闇に手を出さないでください。人間の匂いが着いてしまったら母猫が育児放棄することがあります。育児放棄された子猫は死ぬしかなくなります。触ったことで育児放棄させたのなら、触った人にはそれなりの責任が生じると幸呼の会は思います。

🍼2〜3ヶ月というのは、子猫が社会性を身に付ける為に必要な期間です。人間も親兄弟と過ごすことで学ぶことが沢山ありますよね。それと同じで、猫には猫としての挨拶だったり常識だったりを親から学び兄弟と共に成長するのです。

🍼子犬や子猫のミルクは、それぞれ子犬用と子猫用があります。人間が飲む牛乳とは脂肪分が違うので、牛乳では消化出来ずに下痢をしたり体力がなくなったりして死に至ることもあります。必ず子犬用子猫用を購入して与えてください。

🏢子猫だけ取って行政に届けられたら、子猫ちゃんは亡くなることが多く、母猫はまたすぐに妊娠して出産し、同じことの繰り返しになってしまいます。子猫を『取る』ではなく『盗る』です。母猫にしたらこれは誘拐です。

せめて自宅の猫のことだけでも、お庭に来る猫のことだけでも、手を差し伸べていただけないでしょうか?

🏥幸いなことに愛媛県では、愛媛県獣医師会が野良猫の無料不妊手術を秋に始めます。これは『責任者が居る野良猫のメスに限り』限定数もあり、応募してチケットを手に入れる必要があります。詳しくは最寄りの市役所町役場にお問い合わせください。

⚠️行政やボランティアがどうにかしてくれると思わないでください。協力は惜しみませんのでご相談ください。
⚠️安易に行政に引き渡さないでください。
⚠️そこら辺に捨てたり川に流したりしないでください。
🚨遺棄は犯罪で、1年以下の懲役か100万円以下の罰金になります。

猫にできることが人間には難しいことがあります。この歳になって夜中に寝たり起きたりして授乳するのは厳しいです。ミルクを買うお金も生活費を削ってです。

おかげさまで幸呼の会にお電話くださる方は上記のようなことを申し上げたら、快くご協力くださいます。

愛媛県内で子猫を見つけた方々がそれぞれにご協力くだされば、かわいそうな命も悲しい死もなくなります。

写真は幸呼の会の乳飲み仔達です。