1968年1月

 

ケケケケケ おかしな名前 ケケケケケ

ケケケケケに 初めて会ったのは

月のきれいな 長い夜でした

 

ケケケケケが言いました

「ぼくは淋しい 何故って友達がいないから」

ケケケケケは泣きました メールメールと泣きました

 

ぼくたちは 友達になりました

ケケケケケは喜んで 

トーントーントーンと手を叩きました

その夜は ふたりで遊びました

じゃんけんポンして 遊びました

 

やがて月は消えて 空は明るくなりました

ケケケケケは泣きました メールメールと泣きました

”ぼくは さよなら バハバハバハ

も一度会いたい バハバハバハ”

ケケケケケは消えました 星と一緒に消えました

 

僕も会いたいもう一度 おかしな名前ケケケケケ

でも もう僕のところには来ませんでした

 

僕の記憶では、その日は4月31日だったようです

あるはずのない 4月31日

彼の顔は 人間でいえば日本人に近く

言葉も日本語に似ていました

白い大地の上に横になったら

また彼に会えるような気がします

 

あの人を愛している今の僕の前には

どんな事があっても 現れる事はないのでしょう