寺尾 聰 Re-Cool ルビーの指輪(2006)
なぜか 自分の事を歌っている様な曲がある
必ずしも 歌詞と現実とは 一致している訳では無い
何度も 何度も聴いた
聴くたびに それが自分の
現実であったような気がしてならない
ベージュのコートが似合う子だった
お揃いで買った訳では無いが
私もベージュのコートを着ていた
足首近くまで丈のある マキシコートだ
長髪に サングラスをして
ポケットに手を入れて 歩いていたものだ
別れを告げられたあと
その子に逢いたくて 駅の改札で待った
階段を下りてくる 人々の中から
ベージュのコートを探していた
それから2年が経ち その子が結婚したと聞いた
そして又2年が経ち 私も結婚した
突然 その子が現れた
何故か その子とカミサンは 一緒の電車で帰って行った
何を話したかは知らない
その子の 左手の薬指の指輪だけは 今も忘れない
ルビーの指輪 寺尾聡
くもり硝子の向こうは風の街
問わず語りの心が切ないね
枯れ葉ひとつの重さもない命 貴女を失ってから
背中を丸めながら 指のリング抜き取ったね
俺に返すつもりならば 捨ててくれ
そうね誕生石ならルビーなの
そんな言葉が頭に渦巻くよ
あれは八月 目映い陽の中で 誓った愛の幻
孤独が好きな俺さ 気にしないで行っていいよ
気が変わらぬ内に早く 消えてくれ
くもり硝子の向こうは風の街
さめた紅茶が残ったテーブルで
衿を合わせて 日暮れの人波に まぎれる貴女を見てた
そして二年の月日が流れ去り
街でベージュのコートを見かけると
指にルビーのリングを探すのさ 貴女を失ってから
そして二年の月日が流れ去り
街でベージュのコートを見かけると
指にルビーのリングを探すのさ 貴女を失ってから