One Note Samba  Mendes & Brasil '66

 

もう 10年いや 20年近く行っていないが

想い出の場所であり 

とても良いお付き合いをしていた 人達がいる

 

若い頃は 身延線の 市川本町から 歩いて登った

2時間近く登ると 眼下に 小さな湖が見える

そこから 今度は 一本道を一気に降りると

そこが 四尾連湖だ

しびれ湖 と読む

 

今から60年前 衝撃的な出会いから この湖を知った

周囲2キロしかない 小さな湖

富士山の噴火でできた 富士五湖は有名だが

富士八湖 の一つと聞いた事がある

 

キャンプ場を経営していた 知り合いのおじさんは

今は 統合してしまったが 市川大門町の 町長だった

 

夏には 必ず山を登った

友人を連れての時もあり 独りの時もあった

ある夏は 泊まり込みで 手伝いをした

プレハブの屋根に 貸布団を干したり

ボート番をしたり バンガローの掃除もした

空気が良く 朝昼晩だされる 食事が美味しかった

 

夏場は 学生たちの合宿があったり

訪れる人も多く キャンプファイヤーが 毎年炊かれた

 

子供たちを連れて 剣道の合宿にも 何度も行った

土の上での 剣道などしないから 子供たちは戸惑っていた

世話を焼いてくれる 女子体育大の剣道部

女の子も 沢山参加したものだった

 

あれから50年

数年前に おじさんが 亡くなられた事を知った

私の 結婚式にも

父の 葬儀の時にも ご夫婦で来てくれた

 

今は 車でも 簡単に登れるから

徒歩で登って来る人は 少ないだろう

いつの間にか 湖に ヘラブナが増えてしまった

誰かが 持ち込んでしまったからだ

夕方から 夜に掛けて

鰻釣りをする人の姿が 忘れられない

吊れると 竿の先に付いた 鈴がチリチリと 鳴っていた