保育園が不足して、保育園に通えない待機児童が増えている事が深刻な社会問題になっています。

 でも、社会問題を解決するために自分たちが犠牲になろうと地域住民が一致団結する必要はないと思います。うるさいモノはうるさいです。一時のことではなく毎日何年もずっと続く生活の問題ですから、反対するのが当たり前だと思います。

 また、道幅が狭いので送迎バスや保護者の車で渋滞が起こる懸念もあるそうです。朝の通勤時間の交通渋滞も、同じく社会問題のひとつだと思います。ひとつの社会問題を解決するために、別の社会問題が起こるのは、賢いやり方ではないと思います。

 結論として「クレームが出ない場所に保育園を作る。」が解決方法で、これが簡単ではないから、待機児童の問題が簡単に解決しないんですよね。

 都市部で廃校になった小中学校を全部保育園にするのはどうでしょう。廃校になった学校って廃墟になるイメージがあるのですが、周辺に住民が少ないから廃校になったんだろうし、都市部なら働きに来る人も多いから利用者も便利なのでは?子供が親の通勤に合わせて一緒に満員電車に乗ったりするのは無理?などなど素人考えをめぐらせました。

 立地の問題だけではなく、保育士の人手不足の問題もあります。他の職業に比べて賃金が安いので、なり手が少ないそうです。賃金が高い職業を選ぶのも職業選択の自由ですから、社会問題を解決するために敢えて安い賃金を選ぶ人は少ないでしょう。これも当たり前のことです。

 建てる場所がないから場所を作るとか、保育士の賃金を上げてなり手を増やすとか、どちらもこれは行政が解決する問題であって、住民が自分たちの生活を犠牲にして解決する問題ではないと思います。

 がんばれ安倍総理。

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http://mainichi.jp/articles/20160413/k00/00m/040/115000c

周辺住民「市川市は説明不足」

 千葉県市川市で4月に開園予定だった私立保育園が「子どもの声でうるさくなる」などと近隣住民から反対されて建設を断念したことが波紋を広げている。12日、抗議の声を中心に全国からメールや電話が約50件寄せられ、市は急きょ記者会見して経緯を説明した。一方、予定地周辺の住民からは「市や事業者は建設ありきだった。もっと意見を聞いて決めるべきだった」と批判の声が上がっている。【小林多美子】

 市川市の待機児童は昨年4月時点で373人と全国市区町村で9番目に多く、市や関係者も定員108人の保育園新設に期待していた。市によると、この日「断念に至る前に行政としてちゃんと関わっていたのか」「一部の住民の意見で中止になるのはおかしい」といった意見が北海道から沖縄まで全国から届いた。断念に異を唱える声が多かったという。

 建設予定地は幅約3メートルの道路に面していた。地元には保護者らの車や自転車の往来が激しくなり、危険が増すとの懸念がもともと強く、市の説明不足や対応の悪さを指摘する声も相次ぐ。

 周辺は一戸建てが中心の閑静な住宅街で、高齢世帯が多い。約30年前から住む男性(75)は「静かに暮らしたいと思ってここに家を買ったのに、いきなり保育園ができると言われて驚いたし、困った」と言う。事業者や市の説明については「建設ありきで話が始まった。市は待機児童を解消したくて、焦っていたのではないか。交通事情や周辺環境をもっと配慮すべきだった」と話した。

 50代女性は「定員数を減らすなどしてくれれば保育園自体には反対ではなかったが、市と話がかみ合わなかった」と振り返った。

 一方、会見したこども施設計画課の小西啓仁課長は「防音ガラスの設置や、交通整理員を配置することなどを提案したが、条件交渉まで至らなかった」と説明。「(対策が住民に)十分に伝わっていたか確認が足りなかった」とした上で「100%の理解を得るのは難しいと思うが、待機児童を減らすために市としてできることをやっていきたい」と述べた。

子供の声巡り各地でトラブル

 子供の声を巡るトラブルは各地で起きている。2014年には神戸市東灘区の保育園の近隣住民が、防音設備の設置や慰謝料100万円を求める訴えを神戸地裁に起こした。

 東京都目黒区でも、15年4月の予定だった保育園の開園が、住民の反対運動で今年6月まで延期された。目黒区では今年度中に国有地で着工し、17年4月に開園する予定だった保育園も、反対運動が起きた。区保育計画課によると「開園予定時期はお答えできない」としている。

 東京都の14年の調査では、保育園や公園などで遊ぶ子供の声について「うるさい」などの苦情を受けたことがある区市町村が7割に上ることが明らかになった。一方で「声を抑制するのは子供のストレスになる」といった指摘があり、15年3月の都議会で子供の声に騒音の規制基準を適用しないよう条例を改正した。【渡辺暢】