トンネルの天井板が落下したのは、目視でしか点検していなかったから、金具の劣化が発見できなかったそうです。劣化を発見するには、ハンマーでコンコン叩いて打音を聞いて点検しないといけないそうです。

 目視検査しか実施しなかった理由は報道されていませんが、僕の想像では「予算がなかった」からだと思います。それ相応の予算があって作業員の人数がと工期が確保されていたら、集まった作業員は何もせず遊んでるわけありませんから、当然コンコン叩いて点検したでしょう。

 現場に作業員が居たら打音検査は実施されますから、打音検査が実施されなかったということは、現場に作業員が居なかったということです。作業員が居なかった理由は、おそらく予算だと思います。

 点検は実施しなければならないが予算はないとなると、担当者はとりあえず現場に行って目視検査するぐらいしかできませんよね。想像ですが、一人で点検したら朝から晩まで何日もかかるのではないでしょうか。

 本来なら、国土交通省か道路公団が、建設会社に発注して、検査を実施するものだと思います。つまり、検査は「公共事業」の一部ということです。
 打音による検査が実施されず、目視による検査しか実施されなかった背景には、公共事業の予算を削減した、民主党の政策があると思います。

 今回の笹子トンネルの天井落下は、民主党の「コンクリートから人へ」という方針が引き起こした悲劇と言える。

 朝日新聞も「入念な手入れが欠かせない。」と指摘している。だが何故か、その直後「コンクリートから人へ」が命を守る策なのだと続いている。一体何を言っているんだか訳が分かりません。全く分からない。
 何が何でも「民主党政権を守りたい。」という気持ちだけが伝わってくる完全に支離滅裂な文章、とんだ恥さらしです。

 こんなアホな文章を毎日800万人もお金を出して買って読んでる人がいるなんて、しかも全国の受験生が有り難がって読んでるなんて、とても信じられない。

-<以下引用>---

 アルプス最高峰、モンブランのトンネルを車で走ったことがある。約4千円の通行料より、時速50~70キロ、車間150メートルという厳格な規制にたまげたものだ。1999年の火災事故(死者39人)の教訓と聞いた
▼フランスとイタリアを結ぶ細穴は、12キロ弱の対面通行である。高速道から入るとノロノロ運転の感覚で、遠くのテールランプをにらんでの10分が長い。閉所に弱い当方、名峰の胎内に限らず、トンネル内ではあらぬ悪夢が胸をよぎるのが常だが、頭上を案じたことはついぞなかった
▼中央自動車道笹子(ささご)トンネルの天井崩落は、3台を巻き込み、9人が亡くなる惨事となった。130メートルにわたり300枚ものコンクリート板が落ちる、前例のない事故である
▼崩れたのは全長の3%。7秒で抜けられる距離で、ひと息の差が生と死を分けた。前触れもなく、前途を絶たれた人の絶望に胸が詰まる。渋滞していたらと思うと、なお恐ろしい
▼開通以来35年、外は地圧と水、内は排ガスや振動にさらされてきた。老朽化という時限爆弾が、天井裏に埋め込まれていなかったか。秋に点検済みとはいえ、最上部のボルト周辺は目視のみ。打音検査なら劣化が分かったかもしれない
▼「中高年」に入るインフラは、入念な手入れが欠かせない。悲劇を口実に、道路予算が野放図に復活しては困るが、命を守る策はむしろ「コンクリから人へ」だ。今の日本には、蓄えたものを細く長く使う、倹約の哲学がほしい。それを劣化とは呼ばない。

http://www.asahi.com/paper/column20121204.html