昔は「あいつは部落出身だ。」などと発言しようものなら、同和団体や人権団体が決起して「部落差別だ!人権問題だ!」と大騒ぎして家にでも会社にでも夜中でもいつでも乗り込んで来て、発言者を捕まえて吊るし挙げて集団リンチにかけたものです。
 口に出して言うだけで大問題に発展し、その発言が元で職を失う人も居ました。潰される企業や廃刊に追い込まれる雑誌もありました。
 そういうトラブルが原因で、同和地区出身者を毎年何人以上入社させることを約束させられた企業や自治体もあるという噂も聞いたことがあります。

 問題の週刊朝日の記事はモロにその類です。それも「橋下は部落出身だ。」と言うだけでなく、その部落はどこなのか特定しています。
 しかも、それを口に出して言っただけなく、紙に印刷して何万冊も日本中にバラ撒いたわけですから、他人の考えに影響を与える可能性も高い、ものすごく悪質な行為です。

 が、今回は何故か同和団体や人権団体の人たちは、週刊朝日の編集者も、記事を書いた作家の佐野真一氏も、誰も吊るし上げない。彼らは橋下市長に対する差別は認めているようです。相手によって差別が良かったり悪かったりするなんて、非常に不可解な現象が起きています。彼らは差別を憎んでいるわけではないようです。

 しかしまあ考えてみたら、同和団体や人権団体の人たちは、全くのボランティアというわけではなく、そういった問題を解消する運動を職業にしている人たちです。彼らにしてみれば、本当に問題が解消してしまったら仕事がなくなってしまうから困るのですね。

 むしろ、そういう暗い部分を明るい場所に引き出して、本当に問題を解消してしまいそうな橋下市長の存在は、迷惑なのかもしれません。

 日本の社会の暗く根深い理不尽な構造を象徴する出来事だと思います。

-<以下引用>---

週刊誌問題で社長辞任=朝日新聞出版が謝罪-橋下氏「納得できた」

「週刊朝日」に掲載された大阪市の橋下徹市長(左端)に関する記事について検証した報告書を手渡し、謝罪する朝日新聞出版の篠崎充社長代行(左から2人目)ら=12日午後、大阪市北区
 週刊朝日が橋下徹大阪市長の出自などを報じた問題をめぐり、発行元である朝日新聞出版の篠崎充社長代行は12日午後、市役所に橋下氏を訪ね、「(記事掲載は)あってはならない過ちである」と結論付けた第三者委員会の検証結果などを報告し、「心からおわび申し上げます」と謝罪した。また、同日午前に開いた臨時取締役会で、神徳英雄社長の辞任と篠崎氏の社長代行就任を決定したことを伝えた。これに対し、橋下氏は「全て理解でき、納得できた」と受け入れた。
 10月16日発売の週刊朝日に掲載された「ハシシタ 奴の本性」と題する記事について、第三者委は「橋下氏の出自を根拠にその人格を否定するという誤った考えを基調としている」と指摘。その上で、「差別や偏見などの不当な人権抑圧と闘うことを使命の一つとし、正確で偏りのない報道に努めなければならない報道機関として、あってはならない過ちである」と強調した。
 これを受け朝日新聞出版は12日、記者の人権研修徹底や記事のチェック体制強化といった再発防止策をまとめた。同誌の編集長だった河畠大四氏を降格の上、停職3カ月とするなど計3人の懲戒処分も決めた。
 同社の親会社である朝日新聞社は12日、「前例のない深刻な事態として、非常に重く受け止めています。朝日新聞出版が打ち出した再発防止策が確実に実行されるよう、同社に厳しく求めていきます」とするコメントを発表した。
 同誌取材班とともに記事の執筆に当たった作家の佐野真一氏も、朝日新聞出版を通じて「関係者の皆さまにご迷惑をお掛けしたことを深くおわび致します」とのコメントを出した。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012111200801