LIVING COLOUR /リヴィング・カラー
「VIVID」 / 「VIVID」
1.Cult Of Personality / カルト・オブ・パーソナリティ
[4:54]
2.I Want To Know / アイ・ウォント・トゥ・ノウ [4:23]
3.Middle Man / ミドル・マン [3:47]
4.Deperate People / デスぺレイト・ピープル [5:36]
5.Open Letter (to a landlord) / オープン・レター [5:32]
6.Funny Vibe / ファニー・ヴァイブ [4:20]
7.Memories Can't Wait
/ メモリーズ・キャント・ウェイト [4:30]
8.Broken Hearts / ブロークン・ハーツ [4:50]
9.Glamour Boys / グラマー・ボーイズ [3:40]
10.Whats Your Favorite Color ? (theme song)
/ フェイヴァリット・カラー [3:55]
11.Which Way To America ?
/ フィッチ・ウェイ・トゥ・アメリカ? [4:42]
[TOTAL TIME]49:14
All Songs Written by V.Reid
Except : Track 1.4. V.Reid / C.Clover / W.Calhoun
/ M.Skillings
Track 3.10. V.Reid / C. Glover
Track 5.Additional lyrics by T.Morris
Track 7.D.Byrn / J. Harrison
Vernon Reid - guitars , vocals
Corey Glover - lead vocal
Muzz Skillings - bass , vocals
<解説>越谷政義
<対訳>小倉ゆう子
🖊
「"黒いレッド・ツェッペリン"を目指している、と言い切ってしまうところが痛快な、ニュー・バンドが登場した。
リーダーのヴァ―ノン・リードの名前を初めて知ったのは、
本誌昨年8月号のスティーヴ・コールマン・インタビューだった。そして、彼はミック・ジャガーの「プリミティヴ・クール」に参加し、そのころから、ミック・ジャガーが一部プロデュースした新作をリリースするというようなニュースが「ローリング・ストーン」誌などに載り始めた。
しかし、実際の彼の活動歴はもっと長く、幅広い。79年以来、ロナルド・シャノン・ジャクソン、オーネット・コールマン、ディファンクトといったジャズ系のミュージシャンや、ダニエル・ポンセ、パブリック・エネミーと活動をともにしてきている。大きく注目されるきっかけになったのは、
85年にブラック・ロック連合という団体を始めてから。
「ミュージック・ビジネスの中で人種というわくの為に未発見に終わっている黒人アーティストへの場をクリエイトしようとする」(ライナーより) この団体には、先のスティーヴ・コールマンを初めとする黒人ミュージシャンが参加しているという。もっとも、スティーヴは「ヴァ―ノンの知名度の向上には役立っているみたいだ」と皮肉を言っているが、
黒人=ジャズ、ファンク、ラップといった区分けに異を唱える彼は、そんなメッセージをこめてリヴィング・カラーを4年前に結成、そして88年、エド・スタディアムをプロデューサーに迎えて(⑨⑪はミック・ジャガーのプロデュース)
このアルバムを発表したのだ。
⑤ぐらいまでは本当にストレートなハード・ロック。こちらはどうしても凄腕の黒人ギタリストのコンセプトが云々ということをまず考えてしまうから、ここで面食らうが、ヘヴィなリズムを持ち、輪郭の非常にはっきりとしたサウンドが気持ちいい。
問題は⑥以降だ。なかなかにファンク色の濃いロック・サウンドなのだ、これが。ジェイムズ・ウルマ―ほど過激ではないが、うなりを上げるギターと、ファンク味のあるヘヴィなベースとのからみがなかなかに刺激的だ。ちょうどミーターズなんかのコンセプトを取り入れようとしていたころのツェッペリンをさらにファンクふうにした、とも言えるような世界が展開される。"黒いレッド・ツェッペリン"か、なるほど。
しかし、サウンドのバラツキに、彼らのサウンド/コンセプトがまだ固まっていないのではないかと感じるのも事実。
次作では彼らのカラーをもっとはっきりさせ、より過激になってほしい。ミック・ジャガーを利用してメジャー・デビューしたしたたかさをもってすれば、それも可能のはずだ。」
寺田正典 ( 「ミュージック・マガジン」1988年8月号 )
私のオススメ曲
Cult Of Personality
私のオススメ度
★★★★★
レッド・ツェッペリン的な「Cult Of Personality」が特に秀逸なリヴィング・カラーのデビュー・アルバム。
さらに、ミック・ジャガーがバック・ヴォーカルで参加した「Glamour Boys」や、トーキング・ヘッズのサード・アルバム『Fear Of Music』(1979年発表)に収録された「Memories Can't Wait」のカバーも、アルバムの聴きどころとなっています。