10数年、飼っていた犬が亡くなった。
愛犬、とか家族、って言えない。
事情があって仕方なく引き取った子で、犬が苦手な上に初めての子育てにぐったりしていた当時、この子の存在はほんとに苦痛だった。
ちっとも可愛がれなくて、お散歩や最低限の予防接種しかしてない。
でもものすごくわたしに懐いてた。
もともと野良で、なんでも食べるし誰にでも寄っていくクセに、お散歩でよく会う人がおやつくれても食べない。
わたしの手からじゃないと食べないんだ、なぜか。
そんなのもまた、苦痛だった。
罪悪感がすごかった。
飼い主が私じゃなければ、もっと幸せだったろうにって今も思う。
亡くなる前、小康状態に見えてて、仕事に行こうか迷っていたら、2日ほど声あげてなかった子が、わたしを呼ぶみたいに鳴いた。
近づいてしばらく頭を撫でていたら、静かに横になったから、また迷いながらも支度してた。
化粧して着替えて、10分くらい。
行くなら、もう出なくちゃ・・・って、もう一度そばへ行ってみたら、吐くみたいな、おかしな息をし始めた。
3回ほど、そんな息をして、そのまま止まった。
この子はわたしが仕事にでる時間を知ってる。
たぶん、だから合わせたんだ、わたしがいるうちに。
ほんとに頭にくる、最後までそんなんで、こんな飼い主なのに。
ずっと、涙がとまらない。
もしいつか、この子が死んだら、自由にできるなぁって思ってた。
お散歩のために外出制限しなくていいし、旅行でペットホテル預けるたびにゴハン食べなくなるから、いつも気にしながら行ってたのも気にしなくてよくなる。
鳴き声うるさくもなくなるし、お掃除もらくちん。
なんだろう、全然自由じゃない。
久しぶりの自由は、すごく不自由だ。
いつもわたしを見上げてた目が、頭から離れない。