わたしが敏ちゃんの作品を初めて見たのは「酔いどれ天使」だった。
日本人離れした彫りの深い顔、引き締まった体、漆黒の前髪パラリのイケメン
敏ちゃんに一目で心も体も奪われた。
演技は幼かったがそれを補って余る強烈な野性的な存在感に完璧にやられた。
日本にこんな人がいるのかと思った。肺病病みのヤクザの役だったがなぜか不潔感はなかった。きっと敏ちゃんは根本が高潔だったのだろう。
それ以来敏ちゃんについて書かれた本を読みあさり生い立ちや映画界に入るまでのエピソードを知った。
生まれた土地がコスモポリタン的なところだったので外人に対するコンプレックスや
引け目を感じたりすることはなかったという。
軍隊での辛い暮らしを経て敏ちゃんは俳優へと上っていった。
いまでは友人には敏ちゃんのことを語れる人もいない。一人で時折思いを綴る。