日本のいちばん長い日
軽い気持ちで観られないと、手に取るまで時間がかかってしまった作品。好きな俳優さんがたくさん出演しています。山崎努、役所広司、本木雅弘…他にもたくさん。役柄そのままにぴたりとはまっていて、ずーんとくる。昨今の自然な演技とは違い、舞台での芝居を観ているよう。キッパリキッパリ発声している感じ。最初は違和感を感じたけれど、あの時代の、特に軍人さん達はあんな風に話していたのかな。役所さん演じる阿南惟幾氏が魅力的ゆえ悲しい。本当の人柄とか本音とか立場とか責任とか…大人は難しい。本木さんの昭和天皇のお声の出し方佇まい、宮内の方達も軍人とは違っていて。本木さんのまとう空気。緊迫した状況のなかでも人は可笑しみを感じ、緊張の中にいるからこその冗談だったり。焼け野原のなかでも生きている限り日常があって。生きている1分1秒が愛おしくせつない。純粋さゆえ狂気に走る人達も。そんな時自らを嗤う余裕もなくなるのかも知れないな。松坂桃李演じる迷いない将校はニコリともしないもの。安全な所にある小さな部屋で大勢の人間の生死が決められる。理不尽な事実。現在もかも?映画のこちらから見れば愚かとわかることも、現実を生きた人達は刻一刻と命削ったのでしょうけれど。ああしてたくさんの人が死んだのだなぁ…。立場ゆえ死なないとならない人もいたのだなぁ…と。正しいとか間違って いるとかは別として。誰もがしあわせに生きていられたらいいのに。誰からも奪わず、誰からも奪われず。もう二度とあのような時代がきませんように。