山東省煙台海陽市内で23日午前11時ごろ、美容院を起点に周辺の下水道の少なくとも3カ所で、連続して爆発が発生した。美容院のトイレはいわゆるくみ取り式で、当初は従業員が火の完全に消えない煙草を便器内に投げ捨てたために内部に充満していたメタンに引火したためと考えられていたが、その後、「爆発したのは漏れていた都市ガス」、「雪が降っていたことが大きな原因」などの説も出た。詳しい原因はまだ発表されていない。地元メディアの半島新聞などが報じた。
近隣住民の女性によると、昼食の支度をしていた時に突然「ドン!」という轟音(ごうおん)が聞こえ、住居が震動した。1分もたたないうちに、続けて何度か轟音が聞こえ再び家が揺れた。ガスコンロにかけていた鍋が移動するほどで、地震と思ったという。しばらくしてから、外から「大変だ!」と口々に叫ぶ声が聞こえていた。
爆発は美容院のトイレを起点に周辺の下水道の少なくとも3カ所で発生した。マンホールの蓋(ふた)がはじきとばされ、積っていた雪とともに道路舗装のコンクリートが砕けて飛び散った。約400メートル離れたマンホールでも熱風とともに汚水が噴き上がった。半島新聞は、「投げ捨てられた吸殻が“糞怒”した」と表現した。上記女性によると、自宅トイレでは便器内から汚水が噴出したという。
美容院近くのマンションで守衛を務めている男性によると、美容院で1発目の爆発が発生した時には、守衛室で新聞を読んでいた。「ドン!」という音が響いてきたので、驚いて外にでると美容院から黒煙が噴出していた。急いで駆けつけようと7、8歩走ったところで、自分の後方で「ドン!」という音が響いた。コンクリートの塊が、自分の頭の上を飛び越えて、目の前に着地した。
振り返って見ると、守衛室から出て最初に立っていたあたりの舗装がめちゃめちゃになっていた。「(救援活動ができないかと)とっさに現場に駆けつけようとしなかったら、私の人生はあの時点で終わりになっていたところでした」という。
当初は、美容院のトイレで従業員が喫煙し、火が完全に消えていない煙草を便器内に投げ捨てたことで、充満していたメタンガスに引火したとみられていた。しかし、美容院は爆発原因の「たばこポイ捨て説」を否定。「当店は女性のお客様が多いこともあり、トイレを含め全面禁煙です」と説明した。爆発発生当時、トイレにいた従業員は顔や手にやけどをして治療中で、まだ事情を聞くことはできないという。
その後、近くでガス工事を行っていたことから、「漏れたガスに引火したのでは」との見方が出てきた。工事現場周辺で強いガス臭を感じたという証言も集まりはじめた。工事を請け負っていた会社も「ガス管が老朽化し、自動車の重みなどで裂けてしまったため、工事をしていた。ガスは漏れていた」と認めた。
さらに、事故発生の直前に、現地で大雪が降ったことが爆発につながったとの見方も出てきた。当局が融雪剤をまいたが雪は融けきらず、地表をアイスバーン状に覆っていたという。そのため、地下のガス管から漏れたガスが地上に逃げることができず、地中に大量に残っていたとの説だ。ただしガス会社は、「仮に天然ガスの爆発だったとしても、なにか火元がなければ発生しなかったはず」と主張している。
消防や警察を含めた市行政当局が爆発の原因を調査しはじめた。詳細も少しずつ明らかになってきたが、「まだ発表できる段階ではない」という。(編集担当:如月隼人)
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