「おい、同級生」と、口ヒゲ男はわらいながら二河に叫ぶ。「おまえ、ドリフトはやるんかい」
「何ですか、ドリフトって」と、二河は返事した。
「『何ですか、ドリフトって』って、おまえ良くトヨタカローラレビンなんかに乗って、恵子の同級生やってんな! 恵子は、南船橋のドリフト女王だぞ!」
二河は、何を言われているのか分からないのでだまる。
「もういいよ、脇田」と、恵子が話に割って入る。「二河、あなた、私たちについて来て。今度はサーキットみたいに走らないからついて来られるよ」
恵子が、まだ言い終わらない内にポルシェのタイヤを鳴らして急発進した。脇田が、負けずに、急発進でついて行く。何が起きるのか分からないまま、二河も、5速のトランスミッションのそれぞれのギアを目一杯まで引っ張り、何とか、RX-7に追い着く。
