人は正しいことを主張する動機については、あまり反省しない。
自分の主張している考えが正しいことに気をとられているからだ。
なぜ人はそんなに正しいことを主張するのか?
それは、相手を批判することで、自我価値の防衛をしているから。すでに、自我価値は傷ついている。
そこで人を批判することで、崩壊する自我価値を必死になって防衛している。
批判は、最後の防衛ラインなのだ。防衛的価値観とは、本当にそのことを信じているのではなく、崩壊する自我価値を守るために必死で意図的に信じる価値のこと。
例えば、こういう人だ。
本当は政治家になって権力を得たい。
しかし、親への反発から学者になる。
そこで「権力は人間の堕落」と言い、そして「家族を大切にすることこそ最高の価値」と主張する。
この「家族の愛が最高の価値」という価値観が、防衛的価値だ。
そう心の底で信じているわけではなく、そう信じなければ自我価値が維持できない。こういう人は、
「なんで自分はあんな人がそんなに気になるのだろう?」
「今までの人生は、なぜつらかった」
「どこがおかしかった」と、考えない。
防衛する人は、失恋しても「なぜこの恋愛は破綻したか?」と考えない。
防衛する人は「自分がなぜ苦しんでおり、なぜ心の平安を見つけることができないのか?」を考えない。
「なぜ?」と考えることは、防衛の反対。
「なぜ?」と考えることで、「意識領域の拡大」が起こる。
周囲の世界からの刺激に対する反応ではなく、
自分の内から出てくる疑問を大切にする。
それが、自分の信念になる。
「あいつが悔しいから見返してやる」とかいう反応ではなく、
「私はこう生きる」という心の姿勢。
この心の姿勢が、生きがいのある人生をつくる。