バスの運転士さん。

幼少時代からの憧れの職種

新人当初、手取り足取り教えて頂いた指導運転士の諸先輩方

当時新人だった頃、教えて頂いた指導運転士の運転技術は正に神業。
一寸の狂いもなく、また満水のコップ水をもこぼさない運転技術。

とても穏やかな運転操作。静かな運転。

スライドするとディーゼルエンジンのけたたましい騒音など微塵も感じさせず、風切り音のみ残して行く静かな運転。。

それでいて後ろを付いて走ると速くてとても付いて行けない機敏なテクニック…。

確かに…お若い頃は…それなりにやんちゃをして来たのだろう…
と言うオーラを感じながらもとても穏やかで優しく、そして謙虚な姿勢。

30そこそこの未熟者の自分には戦慄が走る日々だった。


夢が叶ったからにはとことん極めてやる!

尊敬する先輩のスーパーテクニックを若手に伝授したい。

やるからには誇りを持ち、熱い心で業務邁進して欲しい!

そんな想いで指導運転士に選任されて早5年。。


自分が考えているほど甘いものでは無かった。

いわば模範的姿勢を示さなければならない立場。

基本、いい加減な自分に果たしてこんな事が出来るのか(笑)

少しでもミスがあったり不適切言動があればとことん叩かれる。
常に見られている。

だから、常に勉強の日々。

上から目線は厳禁。。

指導運転士と言えども同じ立場で皆と共にハンドルを握る仲間である。

教えたい事、伝えたい事はいつも同じ目線で、世間話の様に面白おかしく伝えている。

しかしお前は甘い!と指摘される。
厳しくしなきゃダメだ!と言われる。

しかし、、俺に言わせれば…

厳しくすれば果たして言う事を聞くのか?

目の前ではきちんとしても蔭ではいい加減な事をするのだ。

厳しく言おうが優しく言おうが、相手に伝わらなきゃ意味がないのではないか?

新人指導もしかり。。

新人教育中、新人がミスをすると、まず笑い飛ばす事から始めている。

そうすると怒られる!と萎縮する新人からリラックスする気持ちが生まる。
そして、自分も新人当時に同じミスをしたのだ。。と同情してやる。
そうすると不思議と次回からは自分の実力を最大限に発揮し、驚くほど上達するのだ。

もちろんダメ出しや指摘もする。

しかし、最後に良い所を褒めて気持ち良く仕事を終わらせて帰してやる。

言葉選びも重要だ。

ー お前は運転士に向いてない!
今のうちに辞めるか? ー

等、心無い発言をする指導員も居るのが現実。

しかし、もし自分が新人で、先輩にそんな事を言われたらどんな気持ちになるか。。

期待に胸を膨らませ、狭き門をくぐり抜けてようやくここまでたどり着いた若手が、自分の発言によってどんな気持ちになるか…までを考え、慎重に発言しなければならない。

あるバス会社では新人指導中に指導員から言葉の暴力を受け、警察に通報までしたと言う事案もある。

所で自分はどうなのか。。

新人指導に限らず、プライベートでも無意識のうちに人を傷付ける発言や行動は果たして無かったと言えるのか?

非常に気になる所である。

ここ数日、まわりからダメ出しをされ、核心を突かれてる部分が多いだけあり、数日落ち込みから立ち直れない自分が居る…(^^;)))

何をするのも億劫になるほど自信喪失状態だ(苦笑)

自分がそんな思いをするのは構わないが、自分の発言によって人がこんな思いをしない様に気を付けなければ…。


日々、勉強である。



小学生の頃、家の近くに不気味な建物が一軒そびえ建っていた。

自宅と、通っている小学校のスグ近くだ。

不気味な外壁に囲まれたその館は、昔の蔵の様な造りで裏通りの角に立地しており、人の出入りも見た事がなく、怖いもの見たさで近くまで行っては逃げ帰る様な事をしていた。

それが、実は旅館であると知ったのは、その地から離れて大人になってからの事である。

それから40数年経った今、久しぶりに前を通ってみると、まだ営業をしている様だ。

小学生の目に映った不気味なお化け屋敷の様なその館は、近年希に見る実に風情のある旅館なのだ。

泊まってみたいと思い電話を掛けてみる。

どうやらご主人が一人でやっている様で、食事の用意やおもてなし等は一切なく、1泊数千円でただの素泊まりでも良ければ…と言う事で予約を入れる。

ご主人いわく、もうお客も少なくて廃業寸前。
道楽でやってる感じだが、小学生の頃から気になっていた先ほどの様な世間話を少しして予約の電話を切る。

日ごろのプレッシャーやストレスから逃れるための一人旅だ。

さて予約当日、18時のチェックインを目指し、敢えて自転車を漕いで行ってみる。

そう。小学生に戻るためだ。

風情のあるガラス戸の玄関をガラガラと開けると、古い建物独特の懐かしい香りと共に70歳位だろうか。人柄の良さそうな小柄なご主人が出迎えてくれる。

歩くとギシギシと音がするデコボコになった木の廊下を通り、階段をこれまたギシギシと上がって2階の部屋に案内される。

うん。。期待を裏切らない、まさに自分好みの古い旅館。

特に何をする訳でもなく… 幼少期を過ごした同じ街の古い旅館で一夜を過ごすだけ。

早速近所のコンビニ… ん?
ここは敢えて『商店』と書こうか。
ビールとつまみを大量に買い込み、独り晩酌の始まりだ。

古い和室で飲む酒の味はまた格別で。。。

酔い醒ましに窓を開けようと…
これまた真鍮製の、、ぐるぐるとネジを回して開けるヤツ…。

懐かしい。

立て付けの悪くなった木枠のガラス窓をヒュルヒュルと開けると、柿ノ木の向こうに子供の頃に遊んだ裏路地がそのまま残っている。


翌朝…

目覚ましの時間よりも少し早く携帯が鳴り出す。。

何?

会社からのラブコール

夢心地の気分は一変し、無理矢理…現実に引き戻される。

外は雨…

ずぶ濡れになりながら自転車を漕いで帰宅し…

夢気分や酔いは一気に醒めて

慌てて戦闘服に着替え、いざ会社へ…。。

現実逃避の旅が…
あろうことか会社に引き戻されるとは。。

こうして現実逃避作戦は遂行出来ずに終わってしまったのだ…。。

よし!!

次回は現代用具はすべて置いて旅に出よう