電子本だが､最近ずっと読んでいる本。Riemenschneider in Rothenburg: Sacred Space and Civic Identity in the Late Medieval City, Katherine M. Boivin著

Pennsylvania State Univ Pr　2021/5/21

Riemenschneider in Rothenburg: Sacred Space and Civic Identity in the Late Medieval City (English Edition)

Amazon（アマゾン）

11,251円

リーメンシュナイダ―、ローテンブルク、どちらも今とても興味を持っているところなので、高い本だが買ってしまった。リーメンシュナイダーその人の芸術というより､ローテンブルクと言う都市が，どのように中世後期に市民の統治を成し遂げて､自分の町を芸術的に作り上げようとしたのかという本のようだ。そこにリーメンシュナイダーという彫刻家の祭壇彫刻がどう関係してきているのか、introと第1章まで読んできた。ブルーノ・ラトゥールのアクター・ネットワーク理論のケーススタディという意味合いらしい。これについても、何も知らなかったのでこれから読もうかと思っているところ。現代思想をおいかけるのは久しぶりであるが。

　それはともかく､いまのところほとんど14世紀のローテンブルクにおけるドイツ騎士団と市議会の教会組織(建築も含めて)をめぐる主導権争いの話。これがなかなか面白い。修道女たちの住まいの鍵の管理(この管理がとても厳しい。耐えかねてグループで逃げ出す人たちもいた)は騎士団だけでなく市の役人も加わる，教会の鐘をつく権利を市議会が侵害したと言った騎士団の抗議から，寄付金をちゃんと納めていないという訴え(お互いに)、そしてたぶん教会の建築や祭壇デザインの決定権などというところに発展していくのだろうと思う。きちんと訳すつもりはなく、必要なところだけ読もうと思っていたのだが、面白くてほとんど全文訳して読んでいる。翻訳してしまいそうな勢いだが、いつまで続くか？　こういう本をだれかがすらっと訳してくれると良いのだがあまり需要はないかもしれぬ。　kindleは,google翻訳で結構読めてしまうので、必要ないとか。そうは言っても，半分は自分で訳さないと意味が通らないが。

　例えばOrder は騎士団なのだが，すぐ『秩序』と訳してくれる。教会関係の言葉はラテン語が出てくる。ラテン語も自分で引きなおす。ドイツ語はどうにかなるが、ドイツ語も少し出てくる。。それと教会の建築用語。bossというのが教会の天井のribの交差点に付ける飾りということとか初めて知る。ただ建築関係は図版もあるし、読んでいくとだいたい見当がつく。

　目次から

introduction

1.The City as Patron

2.A Pilgrimage Environment

3.The Ueban Complex

4.Remapping the City

5Epilogue:THe Modern Medival City

第1章後半にこのローテンブルクの聖ヤコブ教会のchoirが建設される頃の話がでてくる。リーメンシュナイダーの祭壇が設置されるのは、まだまだ先。

Mittelschiff, Blick nach Osten (2016)Tilman2007 - Eigenes Werk CC BY-SA 4.0

天井ヴォールト、リブの交差点にある飾りをbossというらしい。

ローテンブルクのリーメンシュナイダー