昨日単身赴任の主人が帰省し、某マラソン大会に参加。私は運転手。

きっかけは、子どもが幼稚園の時に参加したファミリーマラソンでした。
主人と息子で優勝してもったメダルは宝もの。私は娘と走り、優勝はしなかったけれど、それも大切な思い出です。

いつからか、主人だけでマラソンに出るようになり、大会が近づくと、週末は2〜30キロ走りこむなど、結構ストイックに練習します。

そんな主人の応援を、車で行かれる場所なら家族で応援に行ったものです。


その時の私はかなり不機嫌でした。

私は日常、家事と育児と途中から仕事もして、妻と母の顔しか持たなくなったのに、休みの日になると、自分の楽しみを満喫する主人、自分のための時間を過ごせる主人に、苛立ってたんだと思います。

私は、こんなにしてるのに、あなただけずるい!って。

子どもたちの受験の時も変わらなかった。
私は、全力で子どもたちのサポートだけに集中しようとしてるのに!って。

娘が拒食症のひどい時も主人はマラソンに熱かった。
私は娘のことが心配で心配で、一人にしておけないくらいなのに…って。
痩せ細った娘を、私が不安で一人にしておけなくて、誘って、寒い中、雨の中、応援しに行ったこともありました。

マラソンは待ち時間が長いので、受験の時はその間ファストフード店で、一杯の紅茶で脇目もふらず勉強していた娘。
ゴールする時間に合わせて、また無理矢理ゴール地点まで連れて行き、振り回し放題でした( ̄▽ ̄)

その娘が、ゴールに差し掛かった主人に、「がんばれ!」と、かけた声は、今でも耳に残っています。
嫌々ついてきたはずなのに。
家では口なんかほとんどきかないのに。
びっくりして、ゴールする主人の後ろ姿より、娘の横顔を見てしまいました。


そんな我が家のマラソンの想い出を、思い出しながら、応援してきました。

子どもの大事な受験、私がついていなきゃ、母親なんだから。
拒食症の娘を一人なんかにしちゃいけない、母親なんだから。
って、良い母アピール。


主人も頑張ってるのだから、応援しなきゃ、奥さんなんだから。
家族皆で応援する理想の家族を作らなきゃ、私の家庭なんだから。
って、良い妻アピール。

去年までは、「明日は父のマラソンだよ」と、LINEで知らせていました。(応援メッセージをあげてね〜という裏メッセージ)を込めて( ̄▽ ̄)
離れていても我が家は理想の家族という、これも裏メッセージ。


私は、故郷を離れ友だちともなかなか会えない。一人での楽しみ方がわからない。その時間の使い方もわからない。ほしいものも。

それだけ、家族のことだけ思って生きてきたよ、人生の半分。
それで、溜まってしまった私の拗ね。
汚いし、臭いし、かっこ悪いし。
粗大ゴミの日でも引き取ってくれないですね、不機嫌という毒ガス。

主人のゴールを待つ間、そんなことを思い出しました。

そして、マラソン大会の時に撒き散らしてきた私の毒ガス、もう埋葬しようって思いました。


家族で丸くなってハフハフいいながら頬張っていた、マラソン汁。
拒食症になった娘が抵抗を示して肉だけ避けてたマラソン汁。

昨日は一杯のマラソン汁を主人と二人でいただきました。
心が穏やかに温まるおいしいトン汁でした。