名古屋まで

明日帰るという前の夜

名古屋回りで帰るから、名古屋まで一緒に行って、ランチしようと言い出した娘。

それは無理なお願い。

片道二時間かかる名古屋まで見送るのは、自信なくて。車なんて方向音痴な私の運転では無理なので、電車。

母さんの好きなもの何でも食べるから！
交通費出すから！
…
いろいろ条件提示してきた娘。

以前なら、行っちゃってたなぁ。娘がちゃんと食べてくれるならと。
それを娘は覚えているんだろうなと思いました。
でも、身体のあちこちが小さな悲鳴を上げ始めた今、無理はしたくないので、きっぱり断りました。

でも、実は今週名古屋に出かける私。それを知っている娘は、どうして自分のためには来てくれないの？
しんどいなら、マスターもやめたらいいのに！（マスターに行くことは知っています。）
…と、言い出しました。


パニックにならず、穏やかな紅葉も楽しんだ後だけに、私も内心モヤモヤと暗雲が出てきました。

別れ間際はいつも寂しいと、⤵︎になる娘。
一年以上たっても、寂しさには慣れないのかなぁ(￣▽￣)
私は一人暮らしの経験がないから（あ、今一人暮らしでした＾＾）、娘の気持ちは実感としてはわかりません。
でも、寂しがり屋の娘が、訴える感情は想定内。

しんどいなら、ほかの予定もキャンセルして仕事も休んだらいいじゃない！と、語気も強く訴える娘の中に、葛藤があるように感じました。
そんな無茶なことを言うのは、私をしんどくさせるから、言っちゃダメだという思いと、
でも、一人での帰り道は寂しいという思い。


実は、先日、私の不調を自分のせいだよね？と、聞いてきたことがあるのです。確かに寝てる時間以外はストレスと心配は半端なかったし、毎日泣いてました。でも、その不調が今出てきたとしても、それは誰のせいでもないのです。心配もストレスも私の持ち物。その処し方も私のやること。だから、貴女のせいじゃないと伝えましたが、心の中にはそんな罪悪感があるのかもしれません。でもそれは娘がきっといつか手放すと信じよう。


名古屋まで来て！どうして私のためには来てくれないの？と、訴える娘に、誤魔化さずに本当の気持ちを伝えました。

今回行かないのは、体調を整えたいから。

今週行くのは、心を整えるために、会いたい人に会うためだと。

そして、マスターは自分が初めて私のためにやりたいと決めたことだからそこに照準を合わせていくということを。


すると、娘は、「わかったよ」って。
そんな会話ね、私には奇跡に感じて（ ; ; ）


名古屋まで見送っては、一般的にはわがままで笑われることかもしれない。でも、それを許してきたのは私だから。
でも、もうやめようって。そんな優しさ。優しい振り。


朝、ちょっとだけ早起きして、娘に持たせようとお惣菜を、あれこれ作りました。お好みの薄味で。

こんなことくらいしかできない…ではなく、これくらいならお安い御用！だから。娘の美味しい笑顔は最高だから。

お惣菜を見ながら「おかず作ってくれたから、許すよ＾＾！」って、笑っていました。そんな光景もね、夢みたいなんです。

お昼は二人で紅葉の見納めをして、駅まで送って別れました。ポッキーちゃんな身体で、重たい荷物を抱えながら、私の足元を注意してくる娘は、一年前より大人になっていました。


車から見送る電車の後ろ姿に、涙が溢れました。BGMの仁さんは、とても優しかった。