心療内科と漢方薬は、持ち前の真面目さできちんと続けていた。
半年を過ぎた頃、激しい焦燥感と不安感で手が震えるのを抑えられなった。
先生は薬を勧める。
「痛みがひどいから、リハビリを休みましょう。」
飲めば完治が遅れると思う私の心は、薬を飲み込むことを拒否した。

ますます痩せて、様子のおかしい私を見た叔母が、転院を勧めてきた。

心療内科、三院目。やはり、予約で3週間待つ。
先生は、言った。
「朝起きて、仕事に行っているなら、大丈夫。早くに治りますよ。最初の二週間は、集中して睡眠を取りましょう。大丈夫、それでだいぶ良くなります。不安が押さえられないときの頓服を出します。自分の判断で飲んで良いですよ。薬は、必要がなくなれば、自然に飲み忘れるようになります。まずは、良く寝ましょう」
最初の二週間は少し強めの眠剤を飲み、後はゆっくりと減らして、いつの間にか薬を飲まなくなっていった。
病院を変わったことで、薬を飲む恐怖はリセットされ、自己判断で頓服を飲むことが出来るようになった。
カウンセリングで認知行動療法などを取り入れ、極めて真面目に病院に行った。

長い通院だったけれど、次の予約があることで、生活のリズムが出来上がっていたのかもしれない。

両親は、私の通院を知らない。
仕事に行っていると思ってくれている。
事故に合わなくて、良かったとつくづく思う。

そうして、去年の夏
「もう大丈夫です」
と自ら病院と漢方薬の先生に挨拶に行き、私の心療内科の通院は終わった。
一年と半年が過ぎていた。