薬も病院も止めた私は、同じことを繰り返し電話で友人に訴えていた。
「私、生きててもいいのかなぁ」
友人は、漢方薬の薬剤師さんを調べてと提案してくれた。

薬のことを散々調べた私は、漢方薬は大丈夫と、またまた勝手に思い込んだ。
そして、漢方薬を専門とする薬剤師さんに出逢う。
このことが、私の二年弱の辛い時間の中で、大きな救いとなっていく。

薬剤師さんは、真剣にゆっくりと話を聞いてくれた。
泣いた。
薬剤師さんは脈を確かめながら、薬を選んでくれた。
定期的に訪問し、薬のことや気持ちのことを話した。
この中で、カウンセリングや、心療内科のことがたびたび話題に上がり、
漢方薬を続けながら、再び心療内科に行ってみることにした。
治りたい、と思った。

心療内科二院目。
予約は二週間後しか空いていなかった。
先生はゆったりとソファの座り、時間をかけて話を聞いた。
そして、一枚のメモを渡してくれた。
『何をしても、何を考えても、いい』
これが処方箋です、と私に向かって言った。 
「眠る薬は出すけれど、それ以外の薬は今は必要ない。辛い時もあるだろうけれど、あなたの場合はその方が早く治る。リハビリしましょう。治ると言っても、以前のあなたにではなく、多分違う価値観を持つこと。それが明日かもしれないし、もっと先かもしれない。でも、治ります。一週間に一度は必ず話に来て下さい」
このときに渡されたメモは、今もいつでも見られるところに持っている。

心療内科と漢方薬相談と仕事以外は、ほとんど引きこもった生活がスタートした。