近年、Berealを多くの若者が使用しているのをよく目にする。そこで今回は私たちがBerealに惹きつけられる理由について他のSNSと比較しながら考察していきたいと思う。
・Berealとは
Berealは、1日1回ランダムな時間に通知が届き、2分以内に内外カメラで同時に写真を撮影することが特徴である。例えば、大学に向かっているときや友達とご飯を食べているとき、家でくつろいでいるときなど、日常の何気ない場面を撮影し、それがそのまま投稿される。また、Berealは自分が投稿しないと相手の投稿を見ることはできない。
・他のSNSとの比較
Instagramでは、写真や動画を編集して理想的な自己像が投稿されることが多い。そのため、他者と自分を比較しやすく、他人の投稿を見て、「自分は劣っているのではないか」「こんな風になりたい」と感じるようになる。実際に私も、多くのインフルエンサーの投稿を見て、「この服や髪型を真似したい」などと感じたことが多くある。
Xでは、リアルタイム性や拡散性が高く、自分が思っていることを投稿し、その結果、他者からの承認や反論に過敏になり、時には精神的負担となることもある。例えば、軽い感想や冗談のつもりで呟いた内容が、文脈を切り取られて引用され、批判的なコメントが集まることがある。
これに対して、Berealは、フォロワー数やいいね数の強調はされず、次の通知が来たら投稿内容も見れなくなるため、比較や競争が起こりにくい。そのため、精神的負担も劣等感も感じにくいといえる。
常に理想的な自分を演出することに疲れた利用者にとって、加工のない写真を共有することは開放感をもたらす。
・なぜ投稿するのか
Berealでは、通知がきて2分以内に投稿しなければ、「遅れた投稿」として表示される。時間内に投稿すると、「🔥50」のように連続して投稿した回数が表示される。この仕組みは、一種の軽い強制力を持ち、「今参加しないと置いてかれる」という感覚を生む。実際に私の友人は、今まで連続して投稿してきたにもかかわらず、ある日通知に気づかずに投稿することを忘れ、連続回数がリセットされてしまったことにショックを受けたのを見たことがある。
また、相手の近況を把握することで自分の行動にも影響を与える。例えば、課題をやらなければいけない時に、友人が課題をやっている瞬間の投稿をみると、「自分も早くやらなければ」と刺激されたり、そもそも課題があったことに思い出させられたりする。
このような繋がりは、常に会話や反応を求められるSNSとは異なると考える。
・課題点もある
Berealが完全にストレスフリーと言えるわけではない。通知が来るたびに「投稿をしなければいけない」、「リアルでなければならない」という強制力が負担に感じることもある。
以上を踏まえると、Berealに若い世代がハマる理由は、リアルさへの欲求、比較の少なさ、他者への興味にあると考える。他のSNSに比べて、承認競争や自己演出を弱め、日常をそのまま共有する場として機能しているためである。