ボスとはすぐに打ち解けた。
笑顔に愛嬌があり日本でゆうと田舎町の親しみやすいおっちゃんというイメージだろうか…
僕はジントニックを飲みながら中国語、英語、日本語の混じった会話に非日常感を感じていた。異国の地に来てもこうして偶然出逢った人と酒を飲み会話する。いつの時も人間はこうして進歩していったのだろうな、なんて事を考えていると一緒に来たおっちゃんが明日も仕事なのでそろそろ帰るとゆってきた。
僕は酔っていた。ホテルに帰りたくなかったのでボスと二人で場所を変える事にした。
クラブを出て僕はボスのバイクの後ろに乗り、どこに行くのかも分からず走り出した。
おまえはいい奴だから…ボスはそうゆってどこに行くのか具体的には教えてくれなかった。
酒が入ってなければ間違いなく危険を感じ途中で帰っていただろうが、この時は特に危機感を感じていなかった。
バイクはどんどん暗い住宅地に入っていく。人もいない。これはいよいよ危ないぞ…心なしかボスの口数も減ってきているな…
バイクに乗ってるうちにだんだん酔いも冷めてきて、どうやって逃げようか考えていた。力技で逃げるにもボスは強そうだ…それに近くに仲間がいれば、土地勘もなく徒歩の僕はまず逃げきれないだろうな…
急にバイクが止まった。
とりあえず降りてみる。ボスはちょっとここで待ってくれと言ってきたので僕はとりあえず様子を見る事にした。周りを見回してみても薄汚れたアパートしかない。ボスは誰かに電話をしている。中国語で何をゆっているのか分からない…
僕は不安でいっぱいだった。もしかして殺されるんじゃないのか?いや、でもそんな事しても何の得にもならないし…拉致して何処かで働かせるのか?
こんな事が実際にあるんだ。なんて考えていると、ボスが「もうちょっとここで待っててくれ、友達連れてくるから」と言い残しバイクで何処かに行ってしまった。
なんだ?もしかしてすごい思い違いをしていたみたいだ。僕はその場で待つことにした。
10分後…
ボスがバイクの後ろに女性を乗せて帰ってきた。
バイクを降りた彼女を見て僕は目が離せなかった。抜群のスタイル、黒髪のロングヘア、顔はビ○アン スー に似ていてすごく可愛い。
彼女は名前をビビとゆった。
ビビは英語と中国語しかしゃべれないみたいで、英語で話しかけてきた。
「英語は喋れる?」
「少し」
「じゃあ私についてきて」
「なんで?どこ行くの?」
そんな事を話しながら僕はビビについていった。そしてボスは笑顔で手をふって帰っていった。僕は混乱していた。
ビビについていく途中、僕は気になった事を聞いた。
「さっきの彼とはどうゆう関係?」
ビビは少し考えた様子で
「ボス」と答えた。
正直、この時点でだいたい想像はついていた。きっと売春組織、それも違法な…
「なんのボス?」
僕は聞いた。
ビビは答えようとしない。困ったような笑顔で僕を見た。その顔が可愛いくて僕もつられて笑う…はあ…情けないが男だから仕方ない。
ビビが暗く細い道に入っていく。僕はついていく。ここまで来たらもう後戻りはできないぞ、と腹をくくる事にした。何か危険があっても命だけ無事ならいいや…
普通に歩いていると見逃してしまいそうなぐらい細い階段を上がっていく…どうやらアパートの階段のようだ。
階段を上がると扉が2つ…
ビビはカギを開けて僕に入ってっとゆってきた。部屋に入ってみると入り口のすぐ左にトイレ、よく見るとその狭いトイレの空間にシャワーが完備されている。
部屋は四畳ぐらいの狭い部屋で、ベッドが七割程をしめ、後はテレビ、小さな冷蔵庫、その上に灰皿。窓は小さな小窓が一つあり、湿気の多さを感じた…
ビビはハンドバックを無造作にベッドに置き自身もベッドに倒れた。ため息を一つ…疲れているみたいだった。
僕は突っ立ったままだった。当然だと思うが…いまいち状況が把握できていなかったのだ。
するとビビは手招きをしながら「こっち来て」とゆって自分の横をポンポンと叩いた。
僕はゆわれるがままにビビの横に座りビビを見た。
きっと目が泳いでいたと思う。距離の近さと彼女の目力に動揺してしまったのだ…
ビビは僕にゆった。
「3500元よ」
僕は正直、意味はわかっていたが分からないふりをした。
「何が?」
ビビは少し恥ずかしそうにジェスチャーで僕に見せる。
僕はそれを見てその事に関しては何も答えず、質問をした。
続く
ちょっとディープなアジア旅体験記

